PGA女性ティーチングプロ一期生として2021年に入会している深澤愛梨。21歳の時に職場の勧めでゴルフを始めてから12年でプロゴルファーの会員入りを果たしている。第1回大会から女子選手権に参加しているが、思うような成績を残せていないこともあり、今回は「リベンジを果たしたい!」と心身共に新たな気持ちで挑んでいる選手である。
2022年大会では「難しいコースセッティングだったので、コテンパンにやられました(笑)」と振り返る。今年は悔しさを胸に、練習回数もコンスタントに増やしてきた。「まだ練習量には満足はできていないですけど、昨年に比べてアプローチやショットの精度は意識するようになりました。コースマネジメント力も必要になるので、まずはリスク回避。攻めるゴルフも好きなのですが、やっぱり結果を残したい」と口元を引き締める。
さらに秘策も用意。「ドライバーは飛距離も出るのですが、今回は封印します。マネジメントから考えると、セカンドを打ちやすいところに置きたい。パープレーがひとつの目標です」。昨年の経験を通じて、武器であるドライバーを使わず、3度目の選手権に挑むことになる。
選手権に向けた練習が満足にできていないと語ったその理由は、人気のティーチングプロということもあり、慌ただしい日々が生活にある。月1回、あるかないかの休みの日も、「ラウンドしてると思います。趣味と仕事が同じなので、毎日が充実しています。ゴルフを通じてたくさんの人に会えることは幸せな仕事です」と深澤は目を輝かせる。
「PGAの会員になって、レッスン活動の幅も広がりました。フリーで活動しているのですが、地元静岡では幼児から高齢者の方々と一緒にゴルフを楽しんでいます」と笑顔もはじける。ティーチングプロA級ライセンスまでレベルを上げたことで、ジュニア指導員の資格も取得。静岡ではゴルフ場協会が学校教育の中でゴルフ活動に力を入れていることもあり、深澤も「ゴルフの先生」として、体育の授業でゴルフを教える機会が生まれた。「普段ゴルフ場に関わりが少ない人を対象にした授業なのですが、みんなが笑顔でゴルフに夢中になっている姿に、この仕事にやりがいを感じています。静岡でゴルフスポーツを普及させて、ゴルフの楽しさを伝えられれば」と活動を見据えている。
今年3回目の開催となる女子選手権のエントリーは6名にとどまったが、頂点の座を狙った熱い戦いであることには変わりない。
大事なお客さんが深澤にプレゼントしてくれたという静岡・富士山をモチーフにしたコースメモカバー