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〔TCP選手権/FR News〕高木亜希子が逆転で悲願の大会3連覇を達成し、師匠へ感謝を伝える

2023年10月26日

「第3回PGAティーチングプロ女子選手権大会 新宝塚カントリークラブカップ2023」(5,880ヤード/パー71)の最終ラウンド。首位と1打差イーブンパーからスタートした高木亜希子が、スコアを6つ落としたが、逆転Vで大会3連覇を達成した。高木には優勝賞金10万円と副賞として新宝塚カントリークラブからキャディバックとボール3ダース、ミドリ安全より腰部保護ベルト一体型ゴルフパンツMIDORI PF1、さらに阪神交易からブッシュネルプロX3ジョルトが贈られた。

 PGA女性会員の一期生として2021年に入会した高木亜希子が、最終ラウンドでスコアを落としながらも首位スタートの北添恵理に2打差をつけて、大会3連覇という偉業を達成した。

 最終組の戦いに注目が集まった。前半で北添がパッティングに苦しみ、スコアを6つ落としていた。高木は8番ダブルボギー、9番でボギー。いずれも3パットの痛恨ミス。前半を終えた時点で高木が2打差のリードをつけ、勝負は後半へ持ち越された。高木は「追う立場だったので、前半での逆転は予定外でした。後半は追いつかれないように、自分のプレーだけに集中することが求められました」と気持ちのスイッチを切り替えた。

 高木はパッティングに不安を抱えていたが10、11番を2パットで凌いだ。続く12番でティーショットを曲げてボギーに。13番でピン上から12メートルのバーディーパットが入ったことで、北添と4打差まで広げることができた。しかし15、16番で連続ボギーを叩き、苦しい展開が強いられた。

 北添と2打差で迎えた最終18番。「プレッシャーと疲れから脚が使えなくなりました」と、セカンドはグリーンまで170ヤードを残してしまった。「ピンの上まで着けたかったのですが、つま先上がりのライでショートしてしまい、ボールがグリーン左手前に落ちたのが見えた」と試練がやってくる。それでもショートゲームを武器にする高木には自信があった。ラフからのアプローチを上手に運び、ピンまで1.5メートルの距離に近づけた。

 高木はこのパーパットを決められなくても、ボギーでも優勝だということを確信。「2打差があったので、落ち着いていました。これが1打差だったら、試合展開は全く変わっていたと思います」と振り返った。最終ラウンドは77ストロークと我慢を強いられたゲームだったが、高木が通算6オーバーとスコアをまとめての優勝。念願だった女子選手権大会3連覇を果たすことができた。

 ホールアウト後「今日はミスもたくさんありましたし、まだ技術不足だということもわかりました。本当に苦しかったです。この一年は『3連覇』という目標を忘れずにレッスンと練習に打ち込んできました」と胸の内を明かす。「師匠である西川哲プロと南崎次郎プロは現役のシニアツアープレーヤーなので、実践された上でのアドバイスだったことも、優勝につながりました。ただスコアを出すだけではなく、試合のなかで精神的な駆け引きとか、モチベーションの保ち方が必要でした。二人の理にかなった教えは、試合中片時も忘れたことはありませんでした」。高木の口から感謝の思いが溢れ出した。

 目標だった優勝タイトルを手中に収めるまでは長く苦しい道のりだった。苦しみを乗り越えた先にある喜びを高木は3度味わうことができた。「ゴルフは魅力あるスポーツだと思っています。人間を大きく成長させてくれるものだからです。レッスンを通じてレベルアップしていく先にある喜びを、お客様に伝え続けたい」。高木には満面の笑みが広がった。

 高木は千葉にあるPGMマリアゴルフリンクスで週6日レッスン活動を続けている。月の半分はラウンドレッスンをこなす人気のレッスンプロでもある。最後に「頑張ったご褒美に何か欲しいものは?」と聞くと「休みかな。美味しいものを食べて、友人と遊んだりしたい。だけどゴルフをしちゃうかもしれません」と微笑んだ。

 現在PGAの女性会員在籍数は13名。今年ティーチングプロ講習会を終了してさらに11名が入会予定で、来年は熾烈な戦いも予想される。高木は「4連覇という新たな目標もできましたし、まだまだ自分をブラッシュアップさせていきます」と、クリスタルの優勝トロフィーを高らかに掲げた。