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〔FR〕自分を成長させてくれるゴルフで寺澤は自己最高2位

2020年10月07日
20・10TP選手権2R717

 1イーグル・4バーディー・3ボギーの69のスコアカードを提出した寺澤宜紘は、携帯電話のメールやSNSのメッセージの多さに驚いた。「インターネット中継を観ていて楽しかった!」という声ばかりだった。

 最終日の寺澤はド派手なプレーを繰り広げたからだろう。首位と3打差の通算1オーバー・13位タイからスタートし、4番パー4ホールでバーディーを先行させ、5番パー5ホールではイーグル奪取し、首位との差を一気に縮めてみせた。7番パー3ホールをボギーとしたが、8番パー5ホールでバーディーを奪い、バウンスバックする。11番パー5ホールでバーディーパットをねじ込んだ。首位に立ったかもしれない。そう思ったことでプレーのリズムが微妙に狂い出し始める。13番パー4ホールでのドライバーショットが左方向へ曲がった。不運なことにボールは木の根元に貼り付くように止まっていた。3オン2パットのボギー。続く14番パー4ホール。今度はドライバーショットを右方向へ打ち出した。ボールは林の中へと吸い込まれ、2打目をグリーン手前のバンカーに運ぶのが精一杯だった。何としてでもカップに寄せてパーセーブしたい。その一心で放った3打目のバンカーショットは、ボールをクリーンヒットしてしまう。いわゆるホームランショットになったのだった。「今日の最大のミスショット。そのシーンがネット中継で映し出されたみたいで…。楽しかったとは、きっと優勝争いしていたことで手に汗握ったという意味だと僕は思っています(苦笑)」と寺澤。

 連続ボギーで首位争いから脱落する形になったものの、最終18番パー5ホールでこの日4つ目となるバーディーを奪ってフィニッシュ。この一打が効いて自己最高成績の2位タイに食い込んだのだった。

20・10TP選手権2R330

「ツアーに出たくて、この大会での優勝を目指して練習を積み重ねて来ました。1位との差(3打差)は、ショートゲームの差だと痛感しています。来年の大会に向け、アプローチとショット精度のレベルアップに努めます。どうしても、やっぱり…日本プロゴルフ選手権に出場したいので」。

 実は寺澤が本格的にゴルフを始めたのは26歳。フィットネスインストラクターの肩書を捨て、「自分を成長させてくれるスポーツ」(寺澤)であるゴルフの世界で生きることを決めのだ。ティーチングプロ資格を30歳で取得し、生徒にレッスンしながら自分のゴルフにも磨きを掛け続ける日々を送っている。座右の銘は「負けじ魂」。頂点には、あと一歩届かなかったことで、寺澤の負けじ魂に火が点いたに違いない。一年後のリベンジプレーに期待したい。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)

20・10TP選手権2R734