2016年10月に開かれたPGAティーチングプロシニア選手権を制し、今大会の出場資格を得たのは近藤年弘(60)。優勝を飾った勢いに乗ってシニアツアーの出場優先順位を争う予選会に挑んだものの、最終予選会では順位を上げられず(114位)、あえなく敗退。
「パットが入らず、決まらずの大不調に襲われての結果でした。ツアー出場の道が絶たれたことで、出場が唯一決まっていたこの大会に照準を定めて練習をして来ました」と近藤は振り返る。
愛知県名古屋市のゴルフ練習場でレッスンを行っており、生徒は40人を数える。多忙ながらも品野台カントリークラブでのコースラウンドを週に3、4回も熟している。すべては芝の上からボールを打てる機会を増やし、レッスンの合間に自分の練習をして腕を磨いて来たのだ。「予選会ではパットのタッチがまったく出せませんでした。試行錯誤の結果、クロスハンドグリップにしたらタッチを出せるようになり、パットの悩みは解消しました。何としてでも4日間プレーしたいですね」。
日本プロシニア出場のため、レッスンは1週間ほど「休業」にしたが、生徒たちは「プロ、頑張ってください」と快く見送ってくれた。生徒たちへのお土産は「予選通過」。自分への褒美も「最終日プレー」だと近藤は心に誓っている。