通算5アンダー・4位タイからスタートした鈴木亨(51)に、心強い味方が加わった。長男の貴之さんが、助っ人として週末は帯同キャディーを務めてくれることになったのだ。
アイアンショットがイメージどおりに、ピン方向へ飛んで行く。面白いようにボールがピンに絡む。バーディーチャンス。その切れ味鋭いアイアンショットを何度も間近で見た帯同キャディーの貴之さんは呟いた。「マシーンだね」。あとはその仕上げとしてバーディーパットを沈めるだけだ。しかし、2メートル前後の距離のパットが思うように決まってくれない。
「1番も4、5番もそれに7番ホールも2メートルくらいのパットが入らないんですから…。雨上がりだったこともありますが、打ち切れずショートばかりを繰り返してしまいました」。そんなタッチのパットながら前半で3バーディーを奪取。4番ホールでボギーを打ったが、それでもスコアを3つ伸ばし、後半は12番ホールからの3連続バーディーで通算10アンダーに到達した。
しかし、16番パー3ホールではティーショットを右バンカーに入れ、17番パー4ホールでもバンカーに捕まっての連続ボギー。スコアを2つ落とし、通算8アンダー・3位タイでフィニッシュした。
「パットがまだ不安。迷い出している。しっかり狙い打ちできるようにアジャストして、明日を迎えたい。今年のシニアツアーで一番速いグリーンだと思う。速いグリーンには慣れているんですけど…」。
日本シニアオープンに続き、親子タッグで今季2度目の公式戦に挑む。首位とは5打差。「マシーン」のようなアイアンショットに絶妙タッチのパットが加われば、頂点奪取に手が届く。明日の最終日は「パットマシーン」になるしかない!
(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)