NEWS
シニアツアー

〔1R〕攻めのアプローチで念願の日本タイトル獲得を狙う米山が2位タイ

2017年10月05日
yoneyama3

 ファンケルクラシックでシニアツアー初優勝を飾り、翌試合の広島シニアでも優勝して2試合連続Vを達成した米山剛(52)。先週のセヴンヒルズKBCカップ終了時点で賞金ランク2位に着けている。同1位のプラヤド・マークセンとの獲得賞金差はおよそ2040万円弱。この大会の優勝賞金1000万円を加えても残念ながら逆転はできない。

 米山はアマチュア時代の85年に日本学生ゴルフ選手権競技で優勝、86年には日本オープンゴルフ選手権競技のローエストアマを獲得している。しかし、プロ転向後は「日本タイトル」と縁がない。

「(日本タイトル)公式戦は誰もが狙っていますよね。僕も獲りたい」と米山。今季2勝は2日間と3日間競技での勝利であり、4日間競技でも勝利の美酒を味わいたいのだ。

yoneyama

 昨年大会は初日74と出遅れたものの、2日目からは70・67・69と追い上げて7位タイに終わっている。

「実は、昨年の大会の時にジェット(尾崎健夫)さんからアプローチの手ほどきを受けたんです。とにかく酷い打ち方をしていて『基本どおり忠実に打て』を教わったんですよ」と米山はこの大会でのエピソードを吐露した。あれから1年。6バーディー・2ボギー68でフィニッシュし、初日2位タイの好スタートを切った。

「前半は大事に行きすぎました。緊張もあって体が上手く動かず、ピン位置は難しく、グリーンはある程度硬さもあって、ティーショットでフェアウエイを捕らえないとボギーになるという意識が強すぎて、消極的でした」

 8番パー4ホールの2打目をグリーンオーバーさせ、ボギー必至の状況に陥った。ピンまで17ヤード。マウンド越えての下りライン。ピッチングウェッジで打ち出したボールはカップに消えた。チップイン・バーディー。「この一打で開き直れました。たとえラフに捕まってもいいから、狙った地点にボールを運んでやろうと積極的なスイングをするように心掛けたのです」。

yoneyama2

 後半インコースの2つのパー5ホールで3打目を1.5メートル以内に着けてバーディー奪取。それ以外の7ホールは冴え渡ったアプローチとパットでパーセーブ。「こんなにアプローチが上手かったかな」と米山自身が不思議がるほどの好結果で、首位とは2打差の好位置に着けたのだ。「(昨年とは違って)今日は最高の出だしですね。明日以降も優勝争いが出来る位置にいられるように頑張るだけです」と米山は気を引き締めた。

 「寄せ」の師匠ジェットは、残念ながら右指痛で棄権となったが、昨年の恩に報いるためにも、念願の日本タイトル奪取のためにも、まずは明日この好位置をキープするしかない。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)