通算15アンダーで首位に立った米山剛(53)は「出来過ぎ。ホント、出来過ぎでした」とニコニコした。「昨日(66)も今日(66)も、やばいぐらいパットが入った。やっぱり(3メートル前後の)入れごろ、外しごろのが入らないといいスコアにならないってことですね」。昨日も今日も、その距離が面白いように決まった。
流れを引き寄せたのが序盤、2番で30センチにつける会心のショット、3番では奥の結構深いラフから20ヤードほどをチップインと、連続バーディーで乗った。8番でバンカー上のふちに止まって、体はバンカー内、クラブは長尺パターの根元付近を握って打つ状況でボギーにした。
「後半、ショットが安定してきた。風が吹いてきたので、影響を受けないように低めの球にした。ピンが奥の時は転がしていった」という、風の中での技が利いた。12番から3連続バーディー。17番ではピン右上3メートルを決めた。
そして最終18番パー5。「アゲンストだったんで(ホールの真ん中にある)バンカーを狙ったら、左右どっちかに行くだろうと思ったらまっすぐ行って、しまったと思ったら超えていっちゃった。びっくり仰天」という飛びを見せた。そこまで米山より20ヤードぐらい先に飛んでいた同組のマークセン、柳沢はそれを見てバンカー越えを狙ったが、2人ともバンカーにつかまった。特にマークセンは砂に突き刺さった。「2人の時はアゲンストで、僕の時はフォローだったんじゃないかな」と笑う風のいたずら?で、2オンのバーディーフィニッシュに対して、ここをボギーにした優勝筆頭候補のマークセンに5打差をつけた。
これで「シニアプロ日本一」に王手をかけた。「でも、あいつ(マークセン)は何をしでかすか分からない。(鈴木)亨も初優勝が懸かっているし。今日はどうせマークセンには飛距離で勝てないから力むのはやめてまっすぐ打つことを心掛けた。明日も無理せず、自分のペースで行きたい」。レギュラー時代には縁がなかった「日本タイトル」は目の前にある。