柳沢伸祐(52)が、最終ホールのイーグルで通算8アンダーとし、単独3位に立った。
「この試合から腰のコルセットを外せたので、気持ちよく高い球を打てるようになったんですよ。コルセットしていると、低い球しか打てない。ゴルフが面白くなかったんです」と、ニコニコしている。
インスタートの10番でいきなり1メートルにつけるバーディー発進。14番でグリーンを少しこぼして逆目のラフに入ったが、6メートルほどが直接入るチップインバーディーで気分が乗った。15、16番と1メートルにつけて3連続バーディー。折り返した1番パー5では残り260ヤードの第2打を3番ウッドで5メートルに2オンオンした。4番ボギー直後の5番で「OKについてくれたのがよかった」と、すぐ取り返せたので引きずらなかった。最終9番パー5では第2打残り235ヤードを5番ウッドでピン左上10メートルに2オン。「おまけで入ってくれた」とイーグルで締めて、この日7アンダー65で一気に浮上した。
7月の日本シニアオープン直前にぎっくり腰に見舞われ、大会を欠場した。治療もなかなかうまくいかず、コルセットを使用して出場していた。パッティングでカップインした球をかがんで拾い上げることができず、長尺パターのグリップエンドに「吸盤」をつけて、カップに入った球をくっつけて取り出す苦肉の策もしてきた。ドライバーも、少しでも上がるようにロフト9,5度から12度のものに替えた。1カ月前にブロック注射を試したがだめ。2週間前に行った2回目のブロック注射が「効いてくれたんです」と、やっとコルセットなしでゴルフを楽しめるよう」になった。
昨年終盤、ISPSハンダカップでシニアツアー初優勝を飾った。今季は腰痛の影響もあって賞金ランク46位に沈んでいる。コルセットが取れたことで「今までごまかしてやってきたけど、飛距離も戻ってきたし、ミスしても修正が利くようになった。スイングが楽で」と、ここからが柳沢にとって「本番」になりそうだ。
「ハンダの時はバタバタしたけど、今はゴルフの楽しみを味わっている感じ。明日はしびれるだろうけど、その中でどんないいショットができて、どんなミスをするのか、ですね」。気持ちよく振れる感触を楽しみながら、残り2日間に臨む。
(オフィシャルライター・赤坂厚)