米山剛(53)が3アンダー69で回り、3位と久しぶりの好スタートを切った。「プレーが・・・すごく・・・ショットが少し良くなったのがこのスコアになった」と、言葉を選びながら話した。
理由は、まだ「確信」がないからだろうか。練習ラウンドでコーチからスイングのアドバイスをもらった。8月のファンケルクラシックから3試合は26位、32位、36位と本人が言うように成績が上がっていない。「自分の悪い癖が入ってきて、気づかないうちに手を使いすぎていた。もっと体と使うように」と説明した。前日のプロアマ戦ではまだ納得がいかなかったが、本戦に入ったこの日はうまくいったという。
インスタートで、今回612ヤードに距離が伸びたパー5で右5メートルを入れて最初のバーディー。「友人たちが来てくれていたようです」と応援の声があがったが「まぐれです」と返した。15番で落としたが、18番パー5で2オンに成功するバーディーから歯車が合い始めた。折り返して1番パー5でも第2打をグリーンエッジまで運んでバーディー。2番では手前12メートルを入れて、3連続バーディーとした。その後は「チャンスがあったが入らなかった」と伸ばしきれなかったが「ラフが深くてフェアウエーを外すと苦しい展開になる」というコースでは納得のスコアにはなった。
左手の親指付け根付近をテーピングで固めているのが気になる。「5月の全米プロシニアで、ぬかるんだところから打ったらクラブが刺さって抜けなくて」と、痛めた個所。「でも、テーピングをしていれば問題ないんで」という。
レギュラー時代は縁がなかった日本タイトル。シニアになって今季は日本シニアオープンで最終日69をマークして3位に食い込んだが、マークセンの独走優勝を許した。「公式戦ですから、取りたいですよね」と、自分に言い聞かせるように話した。
2日目以降の戦い方は?「うーん、そうだ、楽しくやることと、笑顔を絶やさないことですね。そうだった、そうだった」。このところ、ちょっと忘れていたシニアデビューしてからの自分のテーマも思い出したようだ。
(オフィシャルライター・赤坂厚)