「第58回日本プロゴルフシニア選手権住友商事・サミットカップ」が10日に開幕する。サミットGCは7年連続での開催となる。今大会のコース状況や、ホールロケーションについて、田中秀道コースセッティングアドバイザー、石井裕人競技委員長に聞いた。
コース全体について石井競技委員長は「ティーが少し(5ヤード)伸びたのと、グリーンとバンカーの一部を改造しています」と、総ヤーデージが7023ヤードになった。中でも12番は、マルハンカップ太平洋クラブシニアの14番608ヤードを超える、612ヤードとシニアツアーでは最長のパー5になる。また、フェアウエーとラフのレイアウトを変えたことで、昨年までとは狙いどころ、落としどころが変わってくる。
ピンポジションとティーマークを決める役割を担う田中アドバイザーは「コースの状態が非常にいいので(位置の)バリエーションが増えます」と話した。「パー4、5については特別なことはあまり考えていません。パー3はティーの位置によって変化を起こせる。バーディーとダブルボギーが共有される、2もあるけど5もあるというのが選手にとっても面白いと思います」という。16番パー3では「イージーなピンはティーを後ろに、ハードなピンは前に。風向きまで計算できたらいいんですが」と、勝負どころでの「演出」も考えているそうだ。
田中アドバイザーの基本方針は「難しさを求めて、いやらしさが出てくるのはよくない」ということ。昨年は米山が21アンダーで優勝した。「いいスコアで何が悪いんやと、思っています。選手たちのすごさを感じてほしい。難しいピンの位置にして15アンダーにしようとか言うのは違うと思う。僕としては、厳しさのマックスにして、いやらしさの扉を開けない。選手からと言っても全員先輩ですけど『難しかった』『おもしろかった』といわれたらうれしい。ピンの位置は選手によって感じ方が違うので、どの方から言われても説明できるようにしたい」とセッティングに自信を持った上で「クレームは受けますけど、言わないでね」と笑った。
心配なのは、週末に関東直撃が予想されている台風19号の影響。石井競技委員は「公式戦ですので、72ホールでの成立を目指します。でも天候には勝てない。54ホール、下手したら36ホールにもなりかねませんが、最低でも54ホールはやりたい」と、台風進路とのにらめっこになりそう。田中アドバイザーは「僕は、選手、優勝者が一番目立つように、72ホール目から考えていくので、54ホールになったらとかいうのは頭にありません。その時に考えたい」。
絶好のコース状態、考え抜かれたホールロケーションの中で、今年も日本タイトルが争われる。
(オフィシャルライター赤坂厚)