首位スタートの塚田好宣(52)が、3アンダー69とスコアを伸ばし、通算16アンダーで首位を守った。この日は風が強くなったが、5バーディー、2ボギーにまとめ、公式戦でのシニア初優勝に王手をかけた。3打差で立山光広(53)、4打差で比嘉勉(58)が追走している。
塚田は珍しく「緊張していました」と明かした。首位でのスタート。1番パー5で第2打をグリーン手前10メートルほどに2オンに成功。イーグルトライを1メートル強ショートしてのバーディーパットがカップに蹴られた。3パットのパーに「実は緊張していました」という。
どちらかというと、ポーカーフェイス。あまり喜怒哀楽を表情に出さないタイプ。しかも、追いかける秋葉真一がイーグルを決めて、その時点で1打差に比嘉、2打差に秋葉という状況になった。
緊張の原因は順位?「いえ、風が強くなって、昨日とは感じが変わってしまって。このコースは風の向きがバラバラになる。ティー、セカンド、グリーンでまた変わる。それでちょっと慎重になっていました」と振り返った。
3番で5メートルのバーディーパットが決まって落ち着いた。5番では「ピンまで16歩」というロングパットが決まった。追いかける選手にプレッシャーを与えられたのは大きかった。
大会3日間、一貫してショットの調子はいい。後半は風のジャッジで2つのボギーをたたいたが、常にバーディーを先行させて隙を与えない。最終18番では、コースの真ん中にあるバンカーのすぐ手前までドライバーで運んだ。第2打はグリーン手前のラフだったが、アプローチで寄せてバーディー・フィニッシュ。危なげなく首位を守った。
スコアボードを確認しながらプレーしている。「実は2013年の全英オープン(リバプール)で、予選カットラインが分からず、周りにいた誰も教えてくれなかったので、最終ホールでOBにして1打差で予選落ちした。それからは自分の状況を把握したいので、絶対見ます」と、理由を話した。
シニア初優勝を公式戦で飾るチャンスが来た。2位とは3打差ある。「調子がいいことを信じてやりたい。日本とついているタイトルを1回は取りたいのは間違いないです」。緊張しそうですね。「すると思います。でも、緊張できるところに自分がいるという事なので」。緊張を楽しめた先が楽しみだ。
(オフィシャルライター・赤坂厚)