塚田好宣(52)が、4連続バーディーなど9バーディー、1ボギーの8アンダー64をマークし、通算13アンダーで首位に浮上した。1打差2位で前日首位の比嘉勉(58)が追う。髙橋勝成(71)が2日連続71のエージシュートを達成し、2アンダー28位で大会最年長予選通過となった。通算イーブンパー50位タイまでの61人が決勝ラウンドに進出した。
「適当」という言葉。
「適当な奴」など悪い意味で使われることが多くなっているが、本来は「うまくあてはまる。ふさわしい。ほどよい」といった「いいこと」を表す。
8アンダー64で回って首位浮上の塚田は「適当っていうと言葉が悪いかもしれませんが、あれこれ考えないでやろうとしたんです」。悪いことではありません。
午前インスタートで、序盤から飛ばした。11番で右下7メートルを入れて進撃開始。12番2.5メートル、13番7メートル、14番3メートルと4連続バーディー。15番ではバンカーに落としたが、絶妙の寄せでパーを拾い、16番パー3では手前1メートルにつけて、インだけで5バーディーを奪った。
後半になって少し足踏みした。5番で手前にショートしたが、11ヤードをチップインして、エンジンが再点火。3連続バーディーを奪った。17番で初ボギーをたたいたが、最終18番パー5で第2打をグリーン右バンカーまで運び、1.5メートルにつけて、この日9バーディー、1ボギーだった。
爆発の要因は?「調子は上がっていたんです。でも試合で結果が出なかった。なんでだろうって考えたんです。練習ラウンドでは、調子が悪くてもいいスコアが出る。キャディーさんに距離を聞いて、風を聞いて、パッと打つ。グリーンでもファーストインプレッション(第一印象)でライン見てパッと打つ。練習グリーンだとポンポン入るじゃないですか。試合でもそうじゃないかと思って。あれこれ余計なことを考えすぎていたんじゃないかと思います」。そして先の「適当」という言葉を続けた。
シニア3年目。2年目まではコンスタントな成績は上げてきたが、優勝はない。昨年のマルハン太平洋シニアでは同学年の篠崎紀夫とのプレーオフに敗れ、シニア優勝で先を越された。「シンプルに考えようと思いまして。どうも心配するというか、慎重にやりすぎるんです」。今季はトップ10に1回、賞金ランク35位と、ゴルフの調子に成績が付いてきていない現状をどう打ち破るか。今の答えが「適当」だった。
首位で迎える決勝ラウンド。「優勝は周りの人もいるので、明日(第3ラウンド)が終わってから考えたい」と前置きし「明日は3つ、4つ伸ばせたら(優勝を考えられる)いいところにいると思う」と話した。残り2日間、この日のように「適当」に行けば、今度は結果がついてくるかもしれない。
(オフィシャルライター・赤坂厚)