川岸良兼(55)が「奇跡」のプレーでイーブンパー72にまとめ、通算1アンダーで6位に浮上した。
「後半、アイアンがピンにしか飛ばなくなった。ピンを刺しまくった」と嬉しそうに振り返る。10番でフェアウエーから手前2メートルに「刺した」とバーディー。15番で深いラフに入れて50ヤードほど出すだけだったが、2メートルにつけてパーを拾った。これが16番につながった。「175ヤードを5番アイアンで打って2ヤード短かった。飛ばなかったよね」といいながらも、その2メートル弱を入れてバーディーにした。最終18番でカップに蹴られて、バーディーは2個だったが、本人にとっては風雨の中でうれしいプレーだった。
この日はドライバーでフルショットを封印したのがよかった。「振ったらラフにしか行かない。ちょこんと打ってフェアウエーに行けばと思った」と、持ち前の飛距離を生かすのではなく、手堅さでの勝負を選択した。
シニア界でも不思議と言われるシニアツアー未勝利。「でも、もう(ツアーでは)通用しない。楽しんでやればいいと思っているから。アプローチは下手だし、無理」と、いつものような愚痴もでるが、表情は明るい。
それでも川岸は優勝争いに入ってきた。「うん、明日(第3ラウンド)だけでもドキドキさせて。最終日はいないから(笑い)。一瞬だけでも、お願い」。無理と言いながらも、そこはまだまだあきらめてはいないのが本音だろう。最終日もドキドキするには?「ちょこんちょこんと行く」。持ち前の豪打は見られないかもしれないが、優勝争いに姿を残せるかもしれない。