シニアルーキーでツアー3戦目の宮本勝昌(50)が、上がり2ホール連続バーディーで4アンダー68をマークし、日本シニアオープン覇者のプラヤド・マークセン(56=タイ)と並んで首位に立った。1打差で清水洋一(59)がつけ、2打差4位に深堀圭一郎(53)、ディネッシ・チャンド(50=フィジー)が並んだ。冷たい雨が降り続いた影響で、アンダーパーが10人と厳しい戦いになっている。
宮本勝昌はシニアツアーの雰囲気を「味がある」と表現した。
この日、本人も「味がある」プレーで首位発進になった。雨に加えて気温も12度のコンディションで午後からスタート。3番でフェアウエーから3メートルにつけてバーディーが先行した。7番でも伸ばしたが、9番で初ボギー。折り返して13番でのバーディーで3アンダーに。午前組のマークセンに1打差と迫ったが、14番でアイアンで刻んだが左のラフに打ち込み、第2打は木の枝に触ってグリーン手前にショート。ボギーにしていったんは後退した。
それでも終盤、17番で左3メートルにつけてバーディーを奪った。最終18番パー5では第3打を1.5メートル弱につけて、連続バーディーでフィニッシュ。マークセンに並んだ。
「一日中雨と気温が低い中で非常に粘り強くプレーできたと思う」という。一日の中でいい悪いはある。「流れがあるので、いい時はいいんですけど、悪い時にパーセーブする。今日はそれがかみ合った」と振り返った。どのぐらいの割合だったのだろう。「半分チャンス、半分ピンチ、でしたね」と笑った。その中での6バーディー、2ボギーだった。
8月28日に50歳の誕生日を迎えた。9月8日からのコマツオープンでシニアデビュー。ちょっと苦い思いをした。「戸惑いましたね。セカンドショットがショートアイアンかアプローチになるんで、ピンを狙いすぎるがゆえに失敗になった。気持ちが先行してしまった。いつもと違うゴルフをやっちゃったなという感じでした」と、第1ラウンド2位発進したが、第2ラウンドで73と崩れ、結局7位に終わった。2戦目の日本シニアオープンでは優勝したマークセンに10打差の6位。納得いかない結果だった。
3戦目、シニアの公式戦への思いは?「レギュラーでもシニアでも、水曜日までは意識しますけど、大会に入ったらテンションはどの大会も全部同じ」という。7月にこの大会に備えて練習ラウンドに来ている。「僕の好きなタイプのコースで、イメージが出やすい。グリーン面がいくつもあって、戦略性が高くてやりがいがある」と話した。
今季掛け持ちしているレギュラーツアーでは優勝争いも演じ、賞金ランク38位につけている。シニアで戸惑ったのはコマツだけだったが、うれしいことが1つ。「今日はカート乗れたので楽でした。(師匠の)芹澤(信雄)さんから『そんなこと言うのはお前だけだ』って言われましたけど、めちゃくちゃ楽でいいです。(高橋)勝成さんが前の組で歩いていて、僕がカート乗っていたら『(72歳の)勝成さんは歩いてるぞ!』って。でも僕は乗りました」と笑った。
第2ラウンドも雨予報。「今日のように粘り強くやりたい」という。それが「味がある」プレーにつながっていきそうだ。
(オフィシャルライター・赤坂厚)