「レギュラー時代から、ここでプレーをしてシーズンに入っていました。それに、『サミットゴルフクラブ』に会場が移ってからのこの大会は、(プラヤド・)マークセンや米山(剛)さん、盧健順さんに負けて、何度か2位や3位があるんです。非常に思い入れがあります」。
「日本プロゴルフシニア選手権」が、ここサミットゴルフクラブに開催場所を移したのは2013年。16年にシニアデビューした鈴木亨は、同年3位タイ、17年大会2位タイ、18年2位タイ、20年4位タイと好成績を残している。
強い気持ちで挑んだ今年は、2日目に7バーディ、1ボギーの「66」をマーク。第1ラウンドの53位タイから大きく順位を上げ、5位タイで第3ラウンドへ進んだ。
「昨日はパターが良すぎた。5メートルくらいがポンポン入りました。エッジからの10メートルくらいも入りました」と第2ラウンドを振り返ったが、第3ラウンドは同じようにはいかなった。
「今日のグリーンは硬くて速い。ゴルフ場の方が頑張ったんだと思います。『さすがメジャーのセッティング』と思いながらプレーしていました。でも、それに対応しきれなかった」と悔しさを滲ませた。
2番パー3はティショットがグリーンの手前に。アプローチは「グリーンの硬さとスピードを意識しすぎてショートしちゃった」と、2パットでボギーとした。その後はパーでしのぎ、7番パー4では4メートルを沈めてこの日最初のバーディを奪う。しかし、ショットの出来もいまひとつ。前日のようにスムーズに振れていなかったという。
「この年になると、朝起きると体調が色々変わっているんです(笑)。今日の朝、バックスイングが思った所に入ってこないなっていう感じがありました。昨日は結構入っていたんですけどね」。
腰に爆弾を抱える鈴木は、日によって体が思うように動かない時がある。「腰が止まって肩でいこうとするから、タイミングがズレるんですよね」。
復調の兆しが見えたのは、9番パー5のティショットだ。「もうしょうがない! 思い切って腰を入れてみようと振ったら、球がつかまった。その後はまあまあ良い感じで振れました。ラウンド中によく修正できたなと思います」。
そこからはショットとパットが噛み合いはじめ、12番、13番で連続バーディ。14番でスコアをひとつ落としだが、15番でバウンスバックに成功。グリーン奥からのパターでのアプローチをカップにねじ込んだ。「しっかり打たないと届かないし、入らないとオーバーするのが入った。このホールを克服したぞ!っていう感じでした」と、拳を握って何度も小さいガッツポーズを見せた。
16番パー3はラインを読み切れずに3パットのボギーとしたが、1アンダーの「71」。日に日に難しいセッティングになっていく中、アンダーパーでホールアウトし、首位と2打差の単独6位につけた。
「悪い位置じゃない。メジャーは勝たないと名前が残らない。そういう意識をしっかり持って頑張ります」。過去に何度も悔しい想いをしたこの大会で、今季初勝利、シニアツアー通算7勝目を掴みにかかる。