第2ラウンド午前組トップスタートで回った、タイ出身のタマヌーン・スリロット(54)が4バーディー・ノーボギーでプレーし、通算6アンダー2位タイに浮上した。「風が強くなってきて、風向きの読みも難しくなりましたが、3メートル以内のパッティングがうまく決められました」とパットの名手が微笑んだ。
スリロットは2004年から日本レギュラーツアーのシード選手として数年参戦した。日本で優勝こそないが、アジアンツアーでは5勝をマーク。当時から日本のゴルフに魅了され、先輩のプラヤド・マークセンが日本で活躍していることにも刺激を受け、日本シニアツアーへの参戦を決意。2019年、49歳でPGA資格認定・最終プロテストに合格。2020年にPGAトーナメントプレーヤー資格を獲得し、入会を果たした。しかし新型コロナ感染拡大の影響で来日が2年ほど困難に。ようやく今年の3月に来日が叶ったが、シニア最終予選会は56位。出場優先順位がようやく降りてきたのが本大会だった。
待ちに待った日本シニアツアー。スリロットは試合勘を切らさないよう、母国タイではタイレギュラーツアー、シニアツアーに参加しながら腕を磨いてきた。先週タイで行われたトヨタシニアトーナメントでは、強敵マークセンを抑えてスリロットが優勝。最高の状態でこのプロシニアに乗り込んできている。「かつてツアーで一緒に戦った日本の選手が声をかけてくれたりして、雰囲気がとても居心地いいです。先輩のマークセン、ウィラチャン、イエーツとタイの仲間とも一緒に戦えるのも楽しい。奥さんがキャディを務めてくれるもの、心強いです」。
デビュー戦の予選ラウンド2日間を通じ、改めて日本シニアツアーの良さを味わったスリロット。予選会ランキング順位が低いため、プロシニアのみの出場になることも理解している。スリロットは初戦となる日本プロシニアでランキング上位を狙い、来年の参戦につなげたいところだ。