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シニアツアー

【News/1R】3アンダー5位タイスタートの森田徹「しがみついて試合に出たい」

2023年10月06日

 これからはチャンピオンらしいゴルフをしていきたい――。2021年の「マルハンカップ太平洋クラブシニア」でシニアツアー初勝利を挙げた森田徹は、当時の優勝スピーチでこう宣言した。

「振り返ると、“チャンピオンらしいゴルフ”というのが自分らしくなかったんです。調子に乗ったわけじゃないですけど、あれ以来、背伸びして無理をしていた所があった。今は自分の身の丈に合うゴルフをしています」。

 本大会の初日のプレーを終えた森田は、一昨年の初優勝から今日までの苦悩と葛藤を口にした。

 身の丈に合うゴルフとは、バーディを狙いにいかず、ミスしても開き直ってプレーすることだという。この日のラウンドは、その言葉を象徴する内容だった。スタートホール10番のティショットを右サイドの林に入れると、リカバリーショットを木に当ててボールは隣のホールへ。3打目でグリーンをとらえることができず、4打目のアプローチでも寄せ切れずに2パット。森田の「日本プロゴルフシニア選手権」は、ダブルボギーからスタートした。

「こんなもんだろうと思っていました」と、淡々とプレーを続ける森田の最初のバーディは、4ホール目の13番パー4。2打目を左手前3メートルにつけて1オーバーに戻すと、15番パー4では10メートル以上あるロングパットを沈めてイーブンパーに。ここから18番、2番、5番、6番でバーディ。7番をボギーとしたものの、合計6個のバーディを奪って3アンダー「69」でホールアウトした。

「久しぶりの60台です」と口元を緩めるが、狙って獲ったバーディはひとつもなかったという。「2年前の『マルハンカップ太平洋クラブシニア』だって、狙って優勝したわけじゃないんです。上位で終えればシード権を確保できると思っていたら優勝しちゃったという感じでしたから。多くを求めず、目の前の1打に集中していれば、今日のようなゴルフができるのかなと思っています」。

 昨年の賞金ランキングは58位。30位までに与えられる賞金シードを逃し、今年のシニアツアー予選会・最終予選でも55位と振るわず、今シーズンは限られた試合にしか出ることができない。今大会は4試合目の出場だ。

「なんとかして、しがみついて試合に出たい。試合に出られなくなると、トーナメントプロから離れていってしまう。今はそれに一番恐れています」。

 来シーズンの出場機会を求め、年末に行われるシニアツアー予選会・2次予選に出ることを決めている。「日本プロゴルフシニア」が行われているサミットゴルフクラブは、その会場のひとつ。森田にとって本大会は、“会場選び”としての一面もあるという。「今週は順位的な目標は立てていません。とりあえず予選を通過できれば、自信に繋がって2次予選に気持ちよく臨めるかなと思っています」。第1ラウンドを5位タイで終えた森田にとって、第2ラウンドはトーナメントプロであり続けるための大切なラウンドになる。