NEWS
競技情報

<前日>北海道出身の佐藤にとって、復活ステージが始まる

2018年08月27日
wp-佐藤2

 2年前の日本学生ゴルフ選手権3日目のことだった。最終18番ホール。ピッチングウェッジでラフに捕まったボールを打ち出した。同時に、左手首は壊れた。「その時はそれほどの激痛がなく、翌日も18ホールをプレーしました。結果は3位です。しかし、次の試合となった北海道オープンは棄権したのです」。

 今年4月に東北福祉大学を卒業した佐藤太地。卒業年度に当たる昨年は3月に左手首(軟骨損傷)の手術を受け、まともにボールを打てるようになったのは10月。ゴルフ部での最後の年を「棒に振る」も同然で過ごしたのだった。

「悔しかったです。右手一本でアプローチショットやパットが打てるくらいで、あとは筋力アップトレーニングで体を鍛えるしかありませんでしたし、QTも受験できませんでしたから」と佐藤は話した。

wp-佐藤太地

 肉体的よりも精神的なダメージの方が大きかったのかも知れない。半年以上ものブランクが焦りを生む。だが、それでも筋トレのお陰で「飛距離が10ヤード以上も伸びました。その分、曲がるようにもなりましけどね」と笑みをこぼす余裕も出てきた。

「最終プロテストはトーナメントプロとして行きていく上で、一つの通過点だと考えています。大学同期の比嘉(一貴)は今年6月のAbemaTVツアー(南秋田CCみちのくチャレンジ )で、すでにプロ1勝を挙げている。一歩先を行かれている観はありますが、この最終プロテストでトップ合格し、来年の日本プロゴルフ選手権出場資格を手にしたい」。ようやく同期と同じ舞台に立てた。その喜びに浸っていられるのは、練習日までだ。佐藤にとって、「復帰」を「復活」にする72ホールのラウンドが明日から始まる。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)

wp-佐藤3