新潟県で生まれ、神奈川県横浜市で育ち、高校時代は宮城県仙台市で過ごした。それはサラリーマンの父の転勤によるものだった。仙台高校に入学し、ゴルフ練習場オーナーの心遣いで練習をさせてもらえた。「ゴルフ部のない高校でしたが、その練習場には有名ゴルフ部も練習していたので、いい刺激を受けながらボールを打っていました」とゴルフを始めた経緯を阿部俊介、46歳は話してくれた。
高校卒業後は仙台市内ゴルフ場の研修生となった。「これまでプロテストは8回受けましたが、残念ながら受からず仕舞いでした。ティーチングプロB級の資格を取得し、レッスンで生計を立てていますが、どうしてもトーナメントプロの資格を取りたくて・・・」。
レッスンの生徒を多く抱えていることから、そうそう休めるわけもない。年齢的なこともあり、「今回を最後の受験だと思っています。生徒には『試合に行ってくるから』と伝えただけで、プロテスト受験とは話していません。合格したあかつきには『実は・・・』って言いたいです」と阿部。レッスンの合間にボールを打つ練習が頼りではなかった。「生徒をレッスンしている際にも、教えて気づくことも意外と多いんです。(ボールを打たなくても)ゴルフの勉強になるんですよ。レッスンで学んで来たことの集大成として、何としてでも合格したい。何があっても最後まで諦めずにプレーします」。
阿部がどれだけ進化したのか、文字どおりその真価が問われる4日間の戦いが明日から始まる。