NEWS
競技情報

<FR>最後は強く気持ちを持ち直し合格をつかんだティーチングプロ丸岡

2018年09月01日
wp-maruoka

 2ラウンドで72・70。スコア貯金を2つ作り上げて迎えた最終日。これまで資格認定プロテスト受験回数は9回。最終プロテストまで勝ち抜いた回数は5回を数える丸岡靖大、32歳。ティーチングプロB級のライセンスを持つ。

「通算1オーバーが合格ラインだと考えました。ですから、スコアを3つ落としても、75までスコアを抑えたら合格できると思いました」と丸岡。精神的な余裕を作ってスタートティーに臨んだ。2番ホールをバーディーとし、スコア貯金を増やした。しかし、5番パー5で3パットのボギーを叩く。バーディー必至の距離の短い9番パー5ホールは再びパーに終わった。スコアを伸ばせない。後半に入って11番パー5でも、あろうことか3パットのボギーとしてしまったのだった。

 3年前に行われた最終プロテストの舞台も、昨年のPGAティーチングプロ選手権の開催コースも登別CCだったことで、コースは熟知していた。同選手権初日では2位となり、優勝のチャンスもあったが、最終日にスコアを伸ばせず4位に終わっていた。コースに対する慣れが、気の緩みをもたらし、どこか集中力が欠いてしまっていたのかも知れない。気がつけば、スコアの余裕がない。焦り出し、重圧は次第に強まるばかりだった。

wp-maruoka (2)

「手が震えてパットのタッチを出せませんでした。ファーストパットはカップをオーバー。返しのセカンドパットはショート。お決まりの3パット3点セットをパー5ホールで繰り返しました。インコースに入って風向きが変わりだし、そのうえカップは昨日の雨の影響もあってグリーン面の高い位置に切られ、無難に収めるようなパットがし難かったのです」。こんなプレーを続けていたのでは通算スコアがアンダーパーからオーバーパーになってしまう。緊張の度合いは益々強まるばかりだった。このズルズルと順位を下げてしまうのか。自問自答する。緩くなったズボンをたくし上げながら対処法を考え、導き出した答えは「気合しかない」だったという。

「最終プロテスト一週間前くらいから、食べ物がろくに喉を通らず2、3キロは痩せてしまいました。今回も不合格だったらもう受験するのは止めよう。この9度目の挑戦を最後にしようと決めていたのです。背水の陣で臨んだといえば格好いいんですが」と丸岡。今回こそ、合格してみせる。もうボギーは打たない。自分にそう誓い、重圧に負けない気持ちだけで残りホールをプレーした。12番ホール以降、7ホールでパーセーブし、1バーディー・2ボギー73でホールアウト。通算1アンダー・26位タイで念願の合格を果たした。

 「今夜は、久しぶりにまともな食事が出来そうです」。安堵の表情が自然に浮かんで来る。登別CCでの3年続けての緊張との戦いに、ようやく「勝つ」(合格する)ことが出来た喜び。「ラウンド中に息も心臓も止まりそうなプレーをもうせずに済むんですね」と言って丸岡はニタリと笑った。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)