初日73とやや出遅れたが、2日目に67のベストスコアをマークした弱冠16歳(2カ月)の高校1年生、竹内優騎が、その存在感を大きくアピール。最終日に同組で回り、トップ合格をした佐藤太地をして「ゴルフが凄く上手い」と言わしめる攻撃ゴルフを繰り広げた。
4バーディー・ノーボギー68をマーク。通算8アンダー・3位タイとなり、2013年に寺田天我がマークした16歳8カ月21日の最終プロテスト最年少合格記録を、6ヶ月以上更新した。
合否を意識して痺れたプレーに陥る選手が少なくない最終日にも関わらず。竹内はピンをデッドに狙い、グリーン上ではカップに向かって強気のパットを打ち続けた。
「4アンダーのスコア? 普通ですね。もっとバーディーを取りたかったです。最終ホールで5メートルほどのパットを沈めてのバーディーフィニッシュ。これで(同組)一緒に回っていた比嘉(一貴)さんに1打勝ったと思ったんですけど…。比嘉さんが短いバーディーパットを決めたんで勝てませんでした。残念です」
あっけらかんと言いのけた。その横から「弟は怖い者知らずだし、とにかくゴルフに若さという勢いがあるんです。僕は敵いません」と教えてくれたのは、兄弟同時合格を逃した兄の玲雄。兄からお褒めの言葉をもらっても、我関せず顔。将来の夢を尋ねると「世界の賞金王です。その前に来年は日本の賞金王にならないと。そのために来月からのQTをすべて勝ち上がって、来春はツアーで戦います」。
思わず本気なのか、冗談なのか、プラス思考それともビッグマウスなのか。ノビシロたっぷり、底知れない16歳が、ゴルフ界を塗り替え始めるのかも知れない。楽しみなトーナメントプロがこの日、誕生したのは確かだろう。