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<FR>鬼門の15番ホールをクリアし2オーバーに滑り込んだ森が合格を掴む

2019年08月30日
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 通算2オーバー・44位タイで森祐紀は最終ラウンドを迎えた。73・71・73と3日間、アンダーパースコアを出せずにいた。「鬼門ホールがあったんです。15番、185ヤードのパー3ホール。3日間とも池に打ち込んでダブルボギーを叩いていました。それだけで6オーバーですからね(苦笑)。今日こそは15番ホールをクリアーしてみせると心に誓っていました」と森は話す。

 アウトコースからスタートし、ボギーが先行したが、9番パー5ホールでイーグル奪取。1アンダーでハーフターンする。後半はバーディーが先行したものの、体に電気が走り始めた。緊張感。プレッシャー。重圧から12番ホールでダブルボギー、13番ホールでボギーを叩き、スコア貯金を使い果たしてしまう。そして迎えた鬼門の15番ホール。スタート前の誓いどおり、4日目にしてようやくパーセーブが出来たのだった。

 「よし、これで行ける!そう思いました。ここからはピンをデッドに攻めてバーディー奪取しかない」。自分に強く言い聞かせた途端、16番ホールで2メートル、17番ホールでは7メートルのバーディーパットが決まった。この時点で通算3オーバー。「あと一つバーディーを。そのことしか頭の中にはありませんでした」。最終18番ホール。2打目は池越え。ピンまで残り160ヤード。森にとってはビトウィーンの距離。「7番アイアンで軽く打つか、8番アイアンで超フルショットするかでした。ここまで来たのでから小さいクラブで悔いなくしっかり打とうと決め、8番アイアンを握って構えに入りました」。アドレナリン効果も加わり、ボールは池を越え、ピン5メートルに着いた。「入れるしかない!」バーディーパットが、イメージ通りに転がり、カップに沈んだ。会心の上がり3ホール連続バーディーでのフィニッシュ。69のスコアを叩き出し、通算2オーバー・44位タイ。合格した。

 

 「大学卒業後、2年ほどアメリカのゴルフ留学していました。両親のサポートがあってのことです。留学先には日本人が一人も居なかったことで、日常会話に不自由しないほど英語を話せるようにもなりました。この合格を心配かけっぱなしの両親に早く伝えたいです」。森は満面の笑みを浮かべ、携帯電話を取り出していた。