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<3R>66をマークした関藤は兄の背中を追って、目指すはプロテスト合格

2019年08月29日
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 ドライバーショットは曲がり、アイアンショットも精彩を欠いてグリーンを捕らえられない。ショットメーカーであることを自負していたものの、第1ラウンドのパーオンは8回しかなかった。アウト38・イン36の3オーバー・74で85位タイ発進となったのが関藤侑嗣(せきとう・ゆうじ)。友人たちからは「どうしたんだ?大丈夫か?」と尋ねられて当然だった。「ショットが不調だから仕方ないよ。明日、頑張るよ」と応えるだけだった。

 第2ラウンドは前日のボギー数6個を3個に抑え、1アンダーでフィニッシュ。通算1オーバー・40位タイに浮上し、プロテスト合格ラインの50位タイ圏内に食い込み、ひと息ついた。

「持ち球がドローボールなのですが、テスト前からプッシュスライスばかりが出てしまい、急遽フェードボールを打つイメージでスイングするようにしたのです。誤魔化しショットで対応したのですが、それでもショット精度があまりに酷くて…。今日はドライバーを封印して3番ウッドを多用しました。それが奏功してスタートホールから7連続のバーディーチャンスを作ることが出来ました。でも今度はパットが思うようには入らず、3回しかチャンスをモノにできませんでした。残念です」。

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 第3ラウンドはインコースからスタートし、12番ホールで2メートル、13番ホールで1・5メートル、16番ホールでも1・5メートルをカップインさせた。後半に入って1、3番ホールでバーディーを奪う。結局5バーディー・ノーボギー66でフィニッシュ。通算3アンダー・22位タイで明日の最終ラウンドを迎える。

「できれば、逆転トップを狙える位置まで順位を上げたかったのですが、それには少し及びませんでしたね。昨日、同級生の織田(信亮)が、63のベストスコアを出していたので、僕も頑張らないと!と気合いが入りました」。関藤は、この日の好スコアの要因をそう話す。

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 広島国際学院高校卒業後、英語をマスターするためにオーストラリア・ブリスベンに語学留学した。「去年、兄の直熙がプロテスト合格し、今年はアジアンツアーで転戦していますが、とっても楽しそうで、僕も後を追いたいんです。実は兄もオーストラリアに語学留学していました。英語を話せたなら世界中のいろいろな所へ行っても、ゴルフでも不自由がない。友人もたくさんできますからね」。

 一年間の留学で日常生活には不自由を感じない程度には英会話をマスターし、一日でも早くツアープロ生活を送りたい一心で帰国。PGAプロテスト合格、JGTツアーQT突破を目標にしている。

「第1ラウンドから74、70、そして今日は66と4打ずつスコアを伸ばせることができたので、明日もこの勢いに乗って行きたいです。60台のスコアとノーボギーゴルフを目指します。あわよくばトップ合格も」と関藤は目をキラリと輝かせた。もしや最終日は今日よりも4打縮めての「62」を視界に入れているのかも知れない。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)