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<大会前日>プロ証明書を手にしたい桂川の挑戦が始まる

2020年11月16日
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 2020年10月に開催された日本オープンゴルフ選手権競技。日本大学4年の桂川有人、22歳は「2年連続ローアマチュア獲得」という大きな目標を持って臨んだ。中部銀次郎、宮里優作、金谷拓実らこれまで7人しか達成していない偉大なる記録だ。

 身長167センチ、体重70キロの桂川は初日、2日目ともに首位と1打差の2位タイとし、優勝をも狙える好順位に着けた。だが、決勝ラウンドに入ると2日間ともにスコアを落とし、通算5オーバー・21位タイで大会を終える。ローアマのタイトルは通算2アンダー・5位タイの東北福祉大学3年・杉原大河と日本体育大学3年・河本力に譲る形となった。1年後輩の選手に夢を砕かれた思いだっただろう。

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、試合でプレーする機会が激減した。そんな大学生ゴルファーを思って、各大学ゴルフ部の監督らが「大学交流戦」というプレーの場を作ってくれたという。「関東大学リーグ戦とは異なり、全国の大学ゴルフ部14チームが集い、試合をすることが出来ました。コロナ禍で何をするにも大変な状況ですが、貴重な機会を作って頂けたことに本当に感謝しています」。

 桂川は、決して流ちょうではないものの、一語ずつ適切な言葉を選びながら近況を話してくれた。その姿勢に、真面目な性格であることがすぐに伝わって来た。

 クラブ選手権覇者の経験を持つシングルプレーヤーの祖父・征男(いくお)さんからゴルフの手ほどきを受けたのは4歳の時だった。中学校卒業後にフィリピンへ留学し、同国ツアーやアジアンツアーに参戦し、ゴルフの腕を磨いた。帰国後、日本大学に進学し、朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権や文部科学大臣杯日本学生ゴルフ選手権で優勝。昨19年には日本オープンでのローアマに輝くなどナショナルチーム選手として数々の実績を残している。

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 平均飛距離290ヤードのドライバーショットで確実にフェアウエイを捕らえ、切れ味鋭いアイアンショットでピンを果敢に攻めるのが信条。それが桂川のプレースタイル。「プロ宣言ではなく、プロの証明書(会員資格)を手にしたい思いからPGAプロテスト受験を決めました。トップ通過なら来年の日本プロゴルフ選手権の出場資格が得られる。プロへの道を進むからには、1試合でも多く戦う場の確保もしたい。とは言っても、明日からは意気込み過ぎないように、落ち着いてプレーして行きたいです」。

 ゴルフシューズの側面には日の丸が刺しゅうされていた。ナショナルチーム選手の証。「プロテストに合格できたら、祖父にすぐ電話で報告するつもりです」。ゴルフを始めて18年。その道筋を作ってくれた祖父へ朗報を届ける。この目標は絶対に達成してみせる--それがトップ通過なら最高だ。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)

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