「2020年度PGA資格認定プロテスト 最終プロテスト」の第3ラウンド。2位タイスタートの長谷川祥平(ELECOM、27歳)が3日目ベストスコアタイ68をマークし、通算10アンダーで岡田絃希(Saujana golf & country club、23歳)と並び首位に浮上。2打差の3位タイには清水大成(日本大学、21歳)、吉田泰基(東広野GC、22歳)が続く。第3ラウンドを終了して、48位タイの221ストロークから10ストローク以内の選手が最終ラウンドへ進出した。
第3ラウンドを迎えて玄海ゴルフクラブがついに牙をむいた。第1、2ラウンドいずれも風速3m/sだったが、この日は朝からホールを取り囲む松林の枝葉が揺れ、ピンフラッグがたなびきっぱなし。時にはピンが弓なりなるほどの強風が吹きつけた。風速7m/s。体感では10m/s以上に感じ、まるで100メートル走を終えたばかりのような強い呼吸をしている風だった。
コース内を吹き抜ける強風が、選手たちを苦しめる。出場選手114人中、アンダーパースコアをマークしたのは7人。ベストスコア68の「好スコア」でラウンドした長谷川祥平は、通算10アンダーにスコアを伸ばして首位タイにジャンプアップした。
アウトコース午前8時スタートの第1組目でティーオフした長谷川は、前半4バーディー・ノーボギーで後半9ホールに臨んだ。しかし、10、11番ホールで連続ボギーを叩き、前半の勢いを止めてしまう。風が一段と強まって来たのだ。それでも15、16番ホールでの連続バーディーでスコアを取り戻したが、17番パー3で再びボギーを打ってしまった。6バーディー・3ボギーというスコア内容で、強風下のラウンドを終える。
「確かに前半は良かったのですが、後半は風が徐々に強まりましたよね。アウトコースに比べてインコースはやさしいのにスコアを伸ばし切れませんでした」。少し悔しそうな表情を見せたが、スコア提出後は練習場へ向かうことなく早々に帰り支度を始めていたのだった。「もともと試合中はホールアウト後の練習はほとんどしないタイプなんです。愛用ボールではなく、レンジボールでのショット練習だと、つい良い球を打とうとしてしまう。レンジボール用のスイングになり、それが(愛用ボールを打つ)試合で違和感につながってしまうからです」。
今回がプロテスト初受験だが、その理由はコロナ禍で様々なスケジュールが変わり、プロテスト日程と自分の日程が合致したためだという。「受けられる日程の時に受験し、プロライセンスを取得しようと思いました」と長谷川。ゴルフの調子は至って好調で、大きなミスをせずにプレーできている。「(明日の最終ラウンドは)パー5の3ホールはツーオンできます。でも、パー3は逆にタフで難しいので、グリーンを外してもパーセーブしやすいエリアにはボールを運びたいですね。4つのパー3ホールでスコアを落とさずに回れば、(トップ合格)チャンスだと思います」。宿泊先ホテルへ向かう長谷川の足取りは、自信に満ち溢れているように見えた。
(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)