前後半ともに2バーディー・1ボギーにまとめ、69でフィニッシュしたのは高野碧輝。25位タイから14人抜きの11位タイに急上昇してみせた。強風下でのラウンドで4バーディー・2ボギーは好スコアのように思われるが、高野は不満そうな表情だった。
「3メートルくらいの距離のバーディーパットを2、3回外してしまいました。スコアをもっと伸ばせたと思います。実は(風が弱かった)昨日はバーディーなしのラウンドだったんです。(ライン)一筋ズレのパットを繰り返してばかりいたからです」と高野は解説してくれた。
ドライバーとアイアンショットが得意で、アプローチショットとパットはそれほどでもない得意ではない。グリーンに近づくほどショット、パットのイメージを出しづらいというのだ。「風が吹く中でのラウンドが大好きなんです。風に当てる、乗せるというイメージがわきやすく、思い描いたショットを打つのが大得意なんです。グリーン周りからのアプローチショットやパットでは、風の影響を受けることが少ないので、どうしてもイメージがわきづらい。だから、明日も強い風がメチャクチャ吹いて難しくなって欲しいです」。
昨19年はJGTOツアーのサード・クォリファイングトーナメント(QT)を受けたが、予選落ちを喫した。だが、今年は日程が変更されたファーストQTを突破し、ファイナルQT進出を決めている。「ホウライカントリー倶楽部で開催されたファーストQTを受けたのですが、風が吹いてくれたお陰で合格圏内に入ることができました」。出場選手97人中、ファイナルQT進出枠11人という「狭き門」を6位の成績で見事通過したのだ。「明日5アンダーくらいは出して(逆転のトップ通過)チャンスを作りたいです」。風が吹けば高野の頬が緩む。そんな最終ラウンドの展開になるか。トップ合格争いからも目が離せない。