5バーディー・ノーボギー66でフィニッシュした梅山和宏の表情は明るかった。好スコアで大切な第1ラウンドを乗り切ったこともある。それ以上に「マネジメントどおりのプレーに徹し続けられたこと。この難しいコースでボギーを叩かなかったことが嬉しいです。ボギーになりそうなエリアへ一度も打たなかったのは自信につながります」と梅山は頬を緩めた。
東北福祉大学ゴルフ部時代は、松山英樹と同級生。松山は在学中にプロ転向したが、梅山は卒業後にプロの道を進んだ。下部ツアーが主戦場となったものの17と18年に1勝を挙げている。いずれもプレーオフを制しての優勝は、精神的な強さも伺わせる。
2020年は試合の出場回数がコロナ禍によって激減した。しかし、それを悲観せず、これまでの自分のゴルフを振り返る絶好の機会だと受け入れたのだった。 「(こんな状況下で)今の自分は何ができるのか、どんな準備ができるのか。改めてゴルフを見直すことができ、そして取り組むことが出来たと思います。また、プロとしてトーナメントが開催されることの有難みも痛感しました」。
コロナ禍によってその思いが強またというのも巡り合わせなのかも知れない。構えてボールと対峙する。決して無駄にはできない。この一打を大切にする。謙虚さを備えたことでゴルフの逞しさが増殖した。「ノーボギーゴルフを礎に明日以降もプレーしたいし、最終ラウンドに向けてすべてのコンディションを高めて行きたい。トップ合格で日本プロ出場資格を獲得したいんです」。
1日3、4アンダーが目標という梅山。「ピン位置やコースコンディション、特にこのコースは風が吹いたら難易度が上がります。それでも、自分の成長度を見極めるためにオーバーパーのスコアにはしたくありません」。チャレンジャー精神を取り戻した梅山が、目標を達成に向け大きな一歩を着実に踏み出した。プロテスト4日間で2桁台のアンダースコアを目標に定め、残り54ホールに挑む。