植木祥多が最終ラウンドでベストスコア66をマークして、10位タイに滑り込んだ。ビッグスコアによって目標にしていた最終プロテスト合格とJGTOツアー・セカンドQT出場資格を得たのだった。
第1ラウンドでは69の好発進を遂げたものの、植木は第2ラウンドで思いもしない試練が待ち受けていた。前日とは違ってバーディーパットが決まらない。凌ぐゴルフでパーはセーブしていた。迎えた6番パー4ホール。ティーショットを曲げ、傾斜地からの2打目だった。思いもしないOBショットとなり、オーバーパースコアを先行させる。それが大崩れの狼煙と化し、ボギースコアが止まらない。バーディーチャンスを作れない。パットは入らない。上がってみれば前日と10打も違う79。一気に56位タイまで順位を下げ、合格ラインの50位タイ圏外になってしまったのだった。
植木はスコアカード提出後、パッティンググリーンに足を運び、パット修正に努めた。夕方4時半まで、およそ3時間もパット練習に費やした。第3ラウンドでは68で回り、23位タイに順位を上げる。植木は前日同様にパッティンググリーンに向かい、2時間以上もパット練習を行ったのだった。「トップ合格は難しいけれど、セカンドQT出場資格を得られるベストテンには入りたかった。そのために6アンダーを目標にスタートしました」と振り返る。
運命の最終ラウンド。前半のアウトコースで3バーディーを奪う。後半に入って10番パー4ホールをボギーとしたが、11番、12番ホールでの連続バーディーで勢いを改めて着け、14番パー4ホールでもバーディーパットをねじ込む。その後はパーにまとめ、6バーディー・1ボギーの66でホールアウト。目標だった10位タイの成績を残したのだった。「目標スコアよりも1打多い結果でしたが、それでもセカンドQT出場資格が得られてホッとしています。第2ラウンドのプレーを教訓にして、(スコアの)踏ん張り力を高めるためにショートゲームを強化して行きます」。にわか仕込みだが2日間、計5時間半のパット練習は無駄にはならなかった。むしろ「しなかった」と記す方が適切だろう。
決して諦めない。転んでも、ただでは起きない。そんなプロゴルファーが誕生した気がする。