ホールをセパレートするポプラや広葉樹の木々の葉が、朝から踊っているようだった。ピンフラッグは棚引き続けている。来馬岳から吹き付ける風は冷たかった。風速は4メールを超えていた。「今日は風が難敵だと感じました。1ラウンド目なのでまずは安全に、無難にプレーしようと考え、パーオンショットはピン方向ではなく、グリーンセンターをターゲットする!と決めていました」。
植木祥多のゲームプランは見事にハマった。アウトコースからスタートし、4番ホールまでパーをセーブ。迎えた5番パー5ホールは距離605ヤード。ドライバーでフェアウエイを捕らえての2打目はピンまで残り260ヤード。池越えだったが、「ピン奥にこぼれてもOKと決断し、グリーン手前の池だけはキャリーで越えるように3番ウッドで打ちました」。ボールはイメージどおりの軌跡を描き、グリーンを捕らえた。4メートルのイーグルチャンス。しっかり決めた。6番パー4ホールでは3パットのボギーを打ったものの、続く7番パー4ホールでバーディーを奪い返してバウンスバックする。後半9ホールを1バーディー・1ボギーにまとめ上げ、69でフィニッシュ。2アンダーの2位タイの好発進を遂げた。
「バーディーが取れるホールでは確実に取れましたし、無難に回れて良かったです。実は11番パー5でも4メートルのイ―グルチャンスを入れに行ってしまって3パット(のパー)、12番パー4では2メートルのバーディーパットを外してしまいました。パットがもっと入ってくれれば…」と愚痴っぽく話したが、それもご愛敬だろう。
5歳からゴルフを始め、7歳になって岡田誠プロのレッスンを受け始めた。日本大学へ進学し、現在は4年生。ゴルフ部副主将を務めている。大学進学後は内藤雄士プロコーチの指導のもと、ショットの基礎をさらに固める練習を積み重ねて来た。2021年は関東マチュアゴルフ選手権2位、日本アマチュアゴルフ選手権4位タイの成績を残している。「トップ合格でサードQRから、トップテンならセカンドQTから受けられる資格も得られる最終プロテストですから、ぜひとも!」。
好調なショットと賢明なゲームプラン、さらにパットが決まり出したなら鬼に金棒状態と化す。明日はどんなゲームプランで臨むのか。爆発ゴルフをいつ繰り広げるのかが楽しみだ。