前半の最終ホールでボギー、後半の最終ホールでもボギー。この日の2ボギーは9、18番ホールだった。それでも好スコアをマークしたのは坂本隆一(23)だ。4バーディー・2ボギーの69は2位タイの好発進をもたらした。
「朝から風が吹き荒れ、練習グリーンではグリーンが前日よりも速くなっていることに驚きました。ですから、今日はスコアをまとめるのに苦労するだろうと予想はしていました」と坂本は振り返る。アウトコースからスタートし、4番ホールまでパーセーブをしぶとく続ける。5番パー5ホールでスコアが動く。距離10メートルのバーディーパットは、カップインの心地よい音を奏でた。6番パー4ホールでは距離5メートルを沈めて連続バーディー奪取する。迎えた7番パー4ホール。ロフト52度で放った2打目は「決して良い当たりではありませんでしたけど、結果オーライ。OKパットの距離に着きました」と坂本は頬を緩めた。3連続バーディーによる「スコア貯金」で気持ちにも余裕が生まれた。9ホール最後の締めでのボギーが痛いようにも思える。だが坂本は淡々と答えた。「難しいコースコンディションでしたから、二つはボギーを打つだろうと覚悟していました。ですから、悔しさは多少あったものの、いつまでも後悔するようなことでもありませんでした」。
PGAプロテスト受験が2回目の坂本は、昨年の最終プロテストで悔しさを味わった。合格にあと一、二打というレベルではなく、コースにコテンパンに打ちのめされたようなスコアでの不合格を喫したことで、悔しさだけを持ち帰った。「あの悔しさはゴルフ人生で最大でした。屈辱を晴らしたい一心の一年でした」。
前回とは違って成長した自分を感じながらのラウンド。「落ち着いてプレーできています。食事だっていつもどおりですし、ラウンド中はお腹が空くだろうとシリアルバー3本、バナナチップス、袋入りのアーモンドをキャディーバッグに入れておきましたが、18ホールでほとんど食べつくしました(苦笑)」。今回の目標は合格にとどまらず、10位以内に入ってJGTOツアーのセカンドQT出場資格を得ることだという。
「目標達成のために、今日と同じように一打に集中していくだけです」。坂本は無欲のプレーを続けて行く。残り54ホール後には目標達成を信じて--。