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【News/FR】道産子・鳥海は3度目の最終プロテストで実力を発揮し22位タイで合格

2022年09月02日

 プロテスト挑戦は4回目を数える鳥海颯汰(とりうみ・そうた)。今回は3度目の「最終」プロテスト受験だった。2020、21年と1打差で不合格。「当時は落ちるなりの課題がありました」と唇をかんだ。技術はもとより、クラブセッティングやボールのスピン量といった部分でも原因は可視化できていたので、プロテスト合格にむけて課題克服の日々を過ごしてきた。

 北海道出身の鳥海だからこそ、地元で吉報を届けるためだけに、準備に準備を重ねてきた。北海道で活躍する先輩プロが、こぞって登別CCでの実践に付き合ってくれた。技術やコースマネジメントを知れば知るほど、自分にしっくり合う内容だった。松尾英明プロにコーチを依頼して3年が経ったこともあり、今回のプロテストは人生の大きな節目と感じていた。

 「そういえば指定練習日から吉兆がありました」と鳥海は振り返る。練習ラウンド中、13番パー3(174ヤード)。7番アイアンで放ったショットは感触が良かったが、グリーンの転がりまでは見えなかった。グリーン上にボールがないので、「これはもしや」とカップを覗いたらボールが入っていた。人生初のホールインワン達成の瞬間だった。高校時代の先生に報告したところ「その一打で人生が変わるはずだよ」と言われ、心に余裕が出来、プロテスト本番を迎えることができた。


 第1ラウンド70、第2ラウンド73。通算1オーバーで24位タイから最終ラウンドに挑んだ。前半はスコアを作れずに1オーバー。不安な状況をどうしても変えたかったので、ハーフターン時に新しいグローブにチェンジした。すると10番ホールからショットに良い感触が出てきた。「これで自分のゴルフができる」と確信し、後半は2バーディー2ボギーで耐え続けて73、通算3オーバー22位タイで、鳥海は念願だったプロテスト合格を手にすることができた。


 「これまで1人でやってきたのではなく、所属する桂ゴルフ倶楽部の支配人、マスター、そしてキャディーのみなさんが応援してくれたおかげで合格できました。だからこそ、頑張ろうという気にさせてくれました。桂は僕に最高の練習環境を与えてくれました」と感謝の言葉は途切れることがない。


 7月に同郷の小祝さくらプロにタイミング良く会えたことも、プロテスト合格へのモチベーションをあげられた要因だった。「小祝プロはゴルフの技術も素晴らしいですし、人間としても魅力ある方。直接お会いしたことで、今回のパワーになりました。僕も見習って、これからは男女問わずに誰からも応援してもらえるようなプロゴルファーになりたい」。過去3回におよぶプロテストの辛い経験があったからこそ、理想のプロゴルファー像を得ることができた。「人生22年の節目の年になりました。これからはプロという自覚を持って、応援してくれる方々と一緒にゴルフを楽しみたい。来年、北海道の恵庭カントリークラブで開催される日本プロ出場が目標です」と目を輝かせ、鳥海は自信を胸に新しいステージに向けて練習をスタートさせる。