北海道の登別カントリー倶楽部(7,069ヤード/パー71)で行われている「
PGA資格認定 最終プロテスト
」第2ラウンドは8月31日、降雨による悪天候の為サスペンデッドが決定。9月1日朝8時15分に競技を再開。通算6アンダーで長野泰雅(19)、柴田将弥(26)、鶴田貴也(26)が首位タイ。第2ラウンドでは濃霧の影響を受け、悪天候のため、今年の最終プロテストは54ホールで競技成立することになった。
「自分がいちばんびっくりしています」と第2ラウンドホールアウト後、鶴田貴也は率直な感想を口にした。2日にまたがったラウンドを6バーディー・ボギーフリーの65ストローク、26位から首位タイへと一気に順位を上げた。第2ラウンドで60台をマークしたのはたった6名。びっくりしているという言葉の裏側には、きちんとしたコースマネジメントと日々の努力が存在していた。
第2ラウンド(8/31)のスタート時は雨模様。このコースでドライバーを使うと突き抜けてしまうので、本番では使っていなかったが、雨で飛距離も落ちることを想定し、ドライバーを選択したという。2番パー4のティーショットは左の斜面へ。残り140ヤード、4メートル上りスライスラインを読み切りバーディー1つ目。3番パー3は170ヤード8番アイアンでグリーンに乗せ、15メートルがカップイン。4番パー4ティーショットは右ラフへ入り、残り210ヤードを上り手前スライスライン4メートルにつけて3つ目のバーディー。5番パー5は3打目130ヤードを46度ウェッジで奥1.5メートルにつけバーディー奪取。前半は4バーディーで31。後半11番パー5の3打目145ヤードを9番アイアンでピン横3メートルにつけて、さらにスコアを伸ばした。12番グリーン上プレーを目前に、5バーディー・ノーボギーというところで中断のサイレンが鳴った。
翌朝プレー再開(9/1)は12番グリーンから。パーでしのぐホールが続き、17番パー5は3打目130ヤードを46度を使い1.5メートルにつけてバーディー奪取。再開後の目標はパーセーブだったので、確実に1つ伸ばして首位タイまで順位を上げた。「グリーンは読めないし、芝目傾斜が難しい」と登別の印象を持っているが「まずはパーオンを目指したところで結果がついてきた」と安心している様子だ。
「今回は46度と58度のウェッジを用意したのですが、洋芝だと58度は刺さってしまうイメージがあって使わないことにしました。練習からずっと距離感が合ってきた46度を多用しています。今回はパー5でもムリせずにウェッジを使える距離を残してプレーした結果、スコアを作ることができました」とラウンドを振り返り、作戦が功を奏した。
昨年のプロテスト2次予選・宍戸CC東Cでは、ティーショットでOB2発を放ちあえなくゲームオーバー。当時はゲームマネジメントを考える余裕がなかったことで敗退したと分析。プロテスト予選敗退の悔しい経験を引きずっていたところ、日体大の後輩から「トレーニングやってみませんか?ゴルフが良くなりますよ」と勧められた。今までまったく触れてこなかったトレーニングというキーワードだったが、物は試しに昨年12月からバランス系のトレーニングを続けてみた。手ごたえはわからないまま4か月過ぎた頃、体幹が安定しアイアンの飛距離が伸びてきたなと気付き始めた。
鶴田はゴルフ以前に、長い期間テニスをやっていたので、右肩が強いという。「いまだに右に負荷が掛かっていたりして、身体のバランスが悪いんですよ。テニス歴とゴルフ歴が同じくらいということもあるのですが、ゴルフは(テニスより)俄然面白いので、できるところまで突き詰めてみようと思って、身体のケアも始めたんです」と、元来持つ運動感覚や好奇心を、さらに精度をあげようとしている。首に痛みもあるが、セルフケアとマッサージを行いながら、とにかく最終プロテストを乗り切りたい一心である。
「最終日の目標は得意のウェッジを使って刻み倒すこと。安全ゴルフをする。ハザード(ペナルティ)に入れない。日体大ゴルフ部の同期も、今女子プロテストに挑戦しているので、お互いに良い報告を伝えあいたい」。4連続バーディーという良い流れに乗った鶴田が、このまま最終ラウンドでも活躍することに期待したい。