『自分の目標が「想定カットライン上」だったので、評価としては100点です。・・・うーんまだ100点は早いですね(笑)、今日は合格点というところ」と、冨田幸暉は声を弾ませた。
冨田は中部学院大学4年生でゴルフ部に所属している。プロテスト初受験となった第1ラウンドは、本人曰く「テストの雰囲気に呑み込まれました」と猛省する。ツアープレーヤーでプロテストを受験するI・J・ジャンと同組で「最終プロテストで落ち着いた様子だし、技術レベルが高くてさすがだなと。合格したいとか、焦りとか・・・色々なことを考えすぎてしまったのかもしれません。だいぶ空回りしてしまいました」と渋い表情で振り返った。
3バーディー・1ボギー・3ダブルボギー・1トリプルボギーで78ストローク(+7)122位とまさかの超スロースタート。OB1つ、池2つ、ロストボールと荒れた内容になってしまった。
第2ラウンド(8/31)朝の天気は雨だが「雨の状況は好きなんです」とにやり。「レインウェアを着たらスイングが良くなった」と天気をこっそり味方につけた。10番ホールからスタートし11、12番で連続バーディー、14番はボギー。ここで降雨による競技中断のエアホーンが聞こえた。冨田はアンダーパーという状況が作れたことに自信がついた。
第2ラウンド(9/1)は15番ホールから再開。18番パー4ではグリーン奥から10ヤード外からのアプローチがカップイン。後半はしばらくパー行進が続いたが、7番パー4では7メートルのアプローチを沈める。続く8番パー3のティーインググランド上で「全く音が聞こえない。周囲でプレーしている組がいないということは、今年は54ホールで決着することになる」と、自分が置かれている状況を察知した。冨田は「このパー3で、絶対にバーディーを獲らないと追いつけない」と精神的に自分を追い込こんだ。183ヤード、7番アイアンを選択。ボールは右手前1.5メートルに着き、バーディー奪うことができた。終わってみれば、5バーディー1ボギー・67をマークし通算3オーバー、122位から50位タイまで巻き返すことができた。
「ただ最終ラウンドは、いろんな意味で今日よりも難しい状況だと思っています。だからこそ丁寧なプレーが第一。パープレーは最低限の目標ですが、通算でイーブンーパーまで戻せるようなマネジメントにしたい」。冨田にはこれまでの裏付けされた自身があるので、怯むことはない。
「中部学院大学ゴルフ部は4人で最終プロテストに出場しています。仲間の期待にも応えたいし、4人で喜びを分かち合いたい」と念願のプロテスト合格に向け最終日に挑む。