「3回目のプロテスト挑戦。今回こそは合格を掴みたい」と、熱い闘志を秘めて受験しているのが、23歳、沼田凌。中央学院ゴルフ部時代に2次予選会、昨年は最終ステージまで進出したものの「第2ラウンドでOBや池に捕まり79と崩れてしまって。4日間、ゴルフを組み立てて追い上げるような頭脳でプレーができなかった」と89位で終えた昨年を振り返る。
今年、沼田の第2ラウンドは3オーバー80位タイグループで雨が降りしきる中でのスタートだった。昨年と違うのは「様々なシーンが想定できるようになりました」と気付きがある。アウトスタート、1番パー4でいきなり3パットボギー。2番パー4では5メートルを沈めてバウンスバックに成功。3番パー3ではすーっと迷いなく3メートルのストレートラインのパッティングを決めて連続バーディーとスコアメイクに成功。雨風の中、我慢を強いられた中、パーを守り続けた。気づけば9番ホールのティーインググランドで、プレー中断のエアホーンの音が聞こえた。
迎えた第2ラウンド。トータルイーブンを目標に設定して、丁寧なプレーを心掛けた。13番パー3(実測162ヤード)は8番アイアンでピンそばにつけて、さらにスコアを伸ばした。その後14番から入りそうで入らないパッティングが続いたが、このラウンドを2アンダーとし通算1オーバー24位まで浮上することができた。
「好きなゴルフを仕事にして、きちんとご飯が食べられるようになりたい」とツアー出場を夢見る。中央学院大学を卒業後、プロの道へ挑戦するため、千葉県の泉カントリー倶楽部に所属。練習させてもらいながらキャディ業務などをこなす。関東近郊で行われているミニツアーにも参戦し、腕を磨くことも忘れない。「だいたい1日試合が多いのですが、賞金を稼ごうと頑張っています。親にはたくさん借金があって(笑)」と照れ笑い。ミニツアーで70万を稼いだこともあるが「親にほとんど返済したので残っていないんです」と厳しい現実にも直面。「ゴルフで切磋琢磨しながら上を目指すのは、面白いし楽しい。明日の最終ラウンドでは、得意なショートパットを生かせるようなゲーム内容で、プロテスト通過を目指します」と前を向いた。