ティーチングプロA級で北海道帯広出身の長内雄太良(おさない・ゆうたろう)が念願だったトーナメントプロの資格を手に入れた。これまでプロテストの受験は10回以上で最終プロテストは3度目の挑戦だった。「ツアーに出場したい」という夢を抱き続け、プロゴルフに人生を捧げてきた。
過去2回の最終プロテストはいずれも登別で参加。2015年は74位、2022年は126位と合格ラインには手が届かない位置だった。「いつも大たたきしてしまうホールがあってスコアが作れなかったのですが、今回は焦らずにやろうとだいぶ気持ちを落ち着かせることができたことで、安定したゲームになりました」と、今回のスコアを通算イーブンパーにまとめ上げることに成功し、念願だった合格を掴みとった。
長内が「気持ちを落ち着かせる」ために行ったのは「ペップトーク」という前向きな言葉で思考や行動をポジティブにするもの。長内は宮崎にあるフェニックスゴルフアカデミーで9年間過ごしているが、その間に遠坂有太郎氏に出会い、メンタルトレーニングの在り方を学んだという。「今回の試合中は何度もペップトークの言葉を反芻しました。すべての事象を前向きに捉えられるようになって、良い結果が出たことに感謝しています」と嬉しさをにじませていた。
今年は転機が訪れた。春先には新たなゴルフ環境を求め、宮崎から北海道へ引っ越すと、北広島にあるPGAストアでレッスンを中心とした活動に専念。忙しい日々だが、北海道プロゴルフ会にも入会し、機会を見つけては試合にも参加するようになり、最終プロテストに向けて実践を積んでいたのだ。
長内にとっては、ティーチングプロA級という資格を獲得したからこそ、プロテスト挑戦も続けられたという。「レッスン活動も魅力ある仕事ですし、数あるレッスン理論も非常に面白いと感じています。ゴルフを追求しているからこそ、ツアーに出場したいと思うのです」。
決して周囲には流されず、ぶれないゴルフへの信念が長内にはある。「QTに出場します」と目標もはっきりと掲げた長内にはプロゴルファーとしての貫禄が漂っていた。