第1、第2ラウンド(36ホール)を終えたのち、第3ラウンドの18ホールは3日間かけてラウンド完遂を目指するという異例の日程となった2023資格認定プロテスト・最終プロテスト。降雨によるコースコンディション不良、そして霧の影響で視界不良によりプレーが難航する状況の中、少しずつでもプレー進行させ、最大限可能なプレーの進行を様々な角度から想定し、今回は54ホールでの競技成立を目指すこととなった。
通算12アンダートップタイに井戸川純平、吉本翔雄、古川龍之介、小寺大佑、伊藤有志の5名が並ぶ大混戦。トップ1名のみに与えられる「来年の日本プロゴルフ選手権大会出場資格」、そして「今年のQTサードステージ出場資格」をかけ、プレーオフ・サドンデスで勝敗が争われることになった。
1ホール目で吉本、小寺、伊藤が脱落。2ホール目は井戸川、古川ともにパー。3ホール目は井戸川パー、古川ボギーで井戸川がプレーオフを制し、出場資格を獲得した。
井戸川は「今日のゴルフは満点です。第2ラウンドを5バーディー・ノーボギー、そして3日間かけてプレーした第3ラウンド(最終)でもノーボギーゴルフができて、本当に良かったです」と笑みをこぼした。昨年、井戸川は九州東海大学4年生で最終プロテストを初受験したが、合格ラインに1打足らず涙をのんだ。「ショット力が他の選手に比べてかなり低いことがはっきりわかったのです。ショットの精度を上げる練習を中心に練習をしました。絶対にプロテストに合格するということだけを掲げてきました」。井戸川は合格に手の届かなかった「1打」の重みを知り、そのリベンジを果たそうと必死に練習を続けた。
「昨年プロテストに参加したからこそ、登別はティーショットが攻略の鍵になると思っていましたのでドライバー、スプーン(3番ウッド)は重点的にやりました。また洋芝対策も必要でしたから、普段練習をさせていただいているくまもと中央CCでは芝の感触をイメージしながらアプローチ練習を重ねました」と振り返る。
井戸川が1年越しに掴んだプロテスト合格は、目標に向かって努力を続けた結果だった。それに「トップ合格」というご褒美付き。「プロテスト合格を達成できて嬉しいです。しかもトップに並んだ中で5名のプレーオフメンバーで、まさか勝てると思わなかったので、トップ合格もつかめて本当に嬉しいです」と破顔一笑した。
「ここまで来られたのは、両親が育ててくれたおかげです。そしてお世話になっているくまもと中央CCのスタッフ皆様や、いつでも悩み相談に応じてくれる所属プロの大城康孝プロには本当に感謝しています」と話ながら自然と頭を下げたのは、感謝の気持ちがあふれていたからに違いない。
「来年レギュラーツアーの日本プロ選手権に出場できるんですね。得意のパッティングを中心に、しっかり準備したいと思います」と目を輝かせ、1年越しの最終プロテストを大きな笑顔で終えた。