「2023年度PGA資格認定プロテスト最終プロテスト」の第2ラウンド。5アンダー2位からスタートした大嶋宝(20)が8バーディー・1ボギーの64で回り通算12アンダーにスコアを伸ばし単独トップ。3打差に吉本翔雄(23)、古川龍之介(22)、この日のベストスコア62をマークした小寺大佑(22)が続く。水田竜昇(24)がホールインワンを達成してスコアを伸ばし5位に浮上している。
「コースはわかっているので、それがアドバンテージになっていると思います」。大嶋宝にとっては3度目。登別カントリー倶楽部の最終プロテストを迎えている。
兄・炎と一緒に受験した初めてのプロテスト(2021年)は兄・炎が通算3アンダー8位で合格。宝は通算9オーバーで合格ラインに1打足りなかった。2度目となる2022年はカットラインが通算5オーバーに対して宝は10オーバー。最終成績ボードの前で、現実に数値となって表れた力の差を理解することに努めた。その差を忘れず「とにかく上手くなる」という思いだけで、この一年練習に打ち込んできた。
第2ラウンドは5アンダー2位からのスタート。前半1つ目のパー5(11番、585ヤード)は、刻むプランを立てていたが、スタートホールのショットが冴えていたので、ドライバーで攻めようと振り抜いた。思ったよりも飛距離は伸びなかったので刻む結果になったが、3メートルの距離を沈めると、続く12番パー4でOKバーディー。13番パー3(180ヤード)では良い流れを確信していたので、9番アイアンでピンを狙っていたが、ボールはガードバンカーへ流れ、さらに目玉という悪状況に。しかし集中力を増した大嶋は、バンカーからなんと3メートルの距離つけ、パーでピンチをしのいだ。前半は17番パー5でバーディーとし前半で3つスコアを伸ばすことに成功した。
後半に入ると2番ホールから2つのOKを含む4連続バーディー。7番パー4では3メートルを沈めた。最終9番パー4(471ヤード)はティーショットが木の裏へ。残り180ヤードからのショットはグリーンエッジで止まり、寄らず入らずボギーとしたが「ショートアイアンと5メートルのミドルパットの調子をあげてきたので、スコアにつがなりました」と肩の荷を下ろした。
「怖さはあります。ただ、怖さがあるからこそ練習に集中できています。ここ最近は良いスコアがだせていることもあり、得意クラブのアイアン、特にショートアイアンは洋芝に対応するように、練習してきました。難しいグリーン周りですし、とにかくパッティングの練習には時間を費やしてきました」。週2回行っている自重トレーニングでは、自分を追い込んでいるという新しい感覚が生まれてきたこともあり、気付ば2時間以上も取り組んでいるという。プロテスト3度目の挑戦を迎えるにあたり、モチベーション高く、集中力を高めてやるべきことをやってきたという自負が大嶋にはある。
「明日は悪天候ということあるので、イーブンを目指すゴルフができればいいです」。口元を引き締めた大嶋は、残り2日、最大のリベンジに掛ける。そして「最近、弟(港さん)が成績をだしているので、負けていられないですね」と笑みを浮かべた。初受験から3年目。家族に良い報告を届けられるチャンスがやってきた。