今年の春にプロ宣言。宣言後の試合がプロテスト・プレ予選B(ロックヒル)で、堂々の13アンダーでトップ通過を果たした大岩慶尚。その後の1次、2次も難なくクリアし、待望の最終プロテスト第1ラウンドのステージを迎えた。「トッププレーヤーと戦うためには、このプロテストは通過点だと思っています」と大岩は力強く口にした。
出だし10番ホールから2連続バーディーを仕留め、幸先の良いスタートを切った。14番では3メートル、15番は15メートル、さらに16番は8メートルと長い距離のパッティングも次々と決まった。「グリーンが下りのラインだったので、タッチが非常に合いました」と前半を5アンダーとした。バックナインに向かう前に、降雨により競技が一時中断する。タイミングが良かったのか、おにぎりでエネルギーチャージ。心も体もうまく中断を利用して切り替えができたという。後半の3番パー3(187ヤード)では7番アイアンできっちり狙いを定めてバーディー奪取。7番はアプローチミスもありボギーとしたが、5アンダー・66ストロークのスコアは堂々の上位フィニッシュだった。
大岩はレギュラーツアーシード選手として活躍する大岩龍一を兄に持つ。兄・龍一は3年前に最終プロテストに合格しており、今回弟が受験するにあたり「プロテストは一回で合格しないと、当然この世界では通用しない」とプレッシャーもかけてくれたという。
「スタートホールはさすがに緊張しましたが、得意のアイアンショットもさえましたし、パッティングを滑らせて打てたことがロングパットのタッチにもつながりました」と一日を笑顔で振り返った。「まだ初日が終わったばかり。苦労する1日があると思います。でももう1日、60台が出せるゲームをしたい」。プロテスト初挑戦とは思えないほど、落ち着いて状況を捉えられていた。
目標に「プロテスト・トップ通過」を掲げている。「JGTOクオリファイングトーナメントにはサードから出場できますし、日本プロ選手権の出場資格も欲しい。今年はプロ宣言に始まり、新しいことへチャレンジする大事な年なのです」と頂上を見据える。プロテスト合格を掴んだその先には、兄・龍一をはじめトッププレーヤーと戦うための新しい世界が待っているだろう。
スタート前のストレッチです