127名による最終プロテストの第1ラウンドがスタートした。全組スタート後の10時31分、降雨により競技一時中断。11時05分には競技再開。この日65ストローク6アンダーで首位に立ったのは韓国出身の49歳、崔虎星(チェ・ホソン)。1打差2位タイには光成良治、吉本翔雄、大岩慶尚、大嶋宝、大村浩輔の5名。初日アンダーパーは47人で、プロテスト合格ラインとなる50位以内に入るためには、ハイレベルの戦いが強いられることになる。
2001年に韓国ツアープロとして活動をはじめ、2008年、2011年に韓国ツアーで2勝をマーク。その後2013年に日本ツアーに参戦し、ワンアジアツアーと共同開催であった「インドネシアPGA選手権」で日本ツアー初優勝をあげると、2018年カシオワールド、2019年にはHEIWA PGM CHAMPIOMSHIPで計3つの優勝を重ねているのが虎さんこと崔虎星(チェ・ホソン)だ。そんな虎さんは、来月50歳の誕生日を迎える。「日本のシニアツアーで戦ってみたい」と夢を抱く。
シニアトーナメント規程に記載されている「レギュラーツアー2勝以上をしているもの」という有資格者カテゴリーは「日本のPGA会員に限る」と付帯条件があるため、シニアツアーに参戦するためには、資格認定プロテストで合格するか、ティーチングプロ資格を獲得し、PGA会員入りをする必要がある。虎さんはプロテストを受験するにあたり、これまでの実績が認められ「PGAが承認したもの」という資格で最終プロテストに挑んでいる。
ホールアウト後「よかったです」と第一声。「天気が雨降ったり、晴れたり、曇ったりと忙しい。最終組ということもあり、グリーンコンディションも厳しかったです。ホールアウト時間が4時間10分。スタートしてからかれこれ6時間経ちましたから、かなり体力を消耗しました」と苦笑い。この日のラウンドを振り返ると10番スタートホールで10メートルのバーディーを決め、17、18番では連続バーディー。ハーフターン後の1、2番でさらにバーディーを重ね快進撃が続くかと思いきや、3番パー3で1.5メートルのパットを外してこの日初ボギー。それでもあきらめず4番、9番で確実にパットを決めて、ホールアウトしてみれば7バーディー・1ボギーの65をマークし初日トップの好スタートを切った。
「私は2、3メートル、5メートルという距離のパッティングには自信がありますから、大丈夫」と丁寧な日本語で自分のゴルフを伝える。「目標は50位以内に入って、来年日本のシニアツアーを楽しみたい。そのために日本語も練習しています。長い文はまだ苦手だけど(笑)」と、声をはずませた。シニア入りを目前にしているが、ドライバーショットは290~300ヤードを放ち、自信あるミドルパットが武器。ベテラン虎さんが明るい表情で「あと3ラウンド、ホールバイホールをきちんとやり抜きます」と言葉を弾ませ、今年のプロテスト合格を狙える位置に着けたのだった。