個人戦女子は北海道チームの吉本ここね(札幌光星高3年)が、四国チームの手束雅(高松中央高2年)をプレーオフで下して優勝した。
1ホール目の10番パー5(534ヤード)。互いに3打目勝負になった。先に打った吉本がピン右についた。それを見た手束の1打はピンに向かって行ったが、奥に転がった。「行ってみたら、思ったよりピンに近かった。2メートルぐらいだった」という吉本。手束のピッチマークはピンの横30センチほどのところにあったが、奥に5メートルぐらい転がった。先にバーディートライの手束のパットは、わずかにカップ左をすり抜けた。吉本は「絶対決めたい」と集中し、2メートルを沈めて決着。2人は健闘をたたえ合った。
勝った吉本に、後輩たちが泣きながら駆け寄り「入ったときはうれしかったけど、後輩が泣いているんで、自分も泣けてきてしまって」と、涙で抱き合った。この試合はインターネット放映で生中継されており、札幌の自宅で見ていた母満帆さんが見ていたことを知って「いいところを見せられた」と、初めての全国的なタイトルに、また涙を見せた。
幼稚園ぐらいの時からプロの試合を見て「宮里藍さんが格好良くて」と、小3からゴルフを始めた。今年度からJGAナショナルチームに入り、スイングを一から改造している。「これまでと全然違うので、小さいスイングから徐々に変えていきました。やっと身について来た」という。この日の正規ラウンドでは5バーディーの66。第1日も4バーディーで、2日間ボギーなしは自身初めてだった。
敗れた手束も涙を浮かべてクラブハウスに戻った。「負けちゃって悔しい」というのが精いっぱい。正規ラウンドでは一時10アンダーに伸ばしたが、最終18番で木に当ててボギーにしたのが痛かった。