3連覇への道のりは楽ではなかった。
男子主将・植田晃大(大阪商大高3年)は「前半負けていて、ピンチだった」と振り返る。関東の男子に踏ん張られた前半。2組目で細野勇策・東野秀馬ペアは2アンダーで回ったものの、関東ペアに12Ptの差をつけられた。2組目の田中裕基・玉木海凪ペアも9Pt差。蝉川泰果・津田浩平ペアは3Ptリードし、植田・田中裕真ペアが引き分けていた。
それを挽回したのが女子。初日の1、2回戦でも男子をカバーして決勝進出に導いている。女子主将・上野菜々子(東海大仰星高3年)は「主将として私がペアを考えました。持ち球が違う子とか、飛ぶ子と飛ばない子とかで組み合わせました。この大会に3年間出させてもらってコースを知っていたのが違ったと思います。ドッグレッグとかが多いので、ホールに合わせてどっちかが打って安心させられるように」と、これまでの経験が生きた。
前半、48Pt-37Ptと男子の差を埋めた女子。チームとしては83Pt-89Ptと、2アップ分の6Ptの差にとどめたことが後半につながる。
後半は男子も奮起して関東との差を縮めた。蝉川・津田ペアはリードを守り、植田・田中ペアは9Ptをリードして終えた。女子は、好調だった関東の双子姉妹、岩井ペアに長阪綾苗・仁井優花ペアが敗れたものの、3Pt差で抑えた。仲村果乃・関口絵万ペアは28Pt-19Ptで勝利し、この時点で関東に追いつく135Ptで並んだ。山下美夢有・西岡利佳子ペアは6Pt差をつけて上がり、ついに関西が逆転。最後は上野・貞永葵生ペアが3Ptのリードを守り、結果的に9Pt差で3連覇を達成した。
植田、上野両主将は3年連続の出場。過去2連覇は先輩たちに引っ張ってもらった。今回はチームをまとめ、引っ張る立場。植田主将は「笑顔で楽しく3連覇、をモットーにやってきました」という。上野主将は「(高校)3年生が私一人しかいなくて後輩と仲良くできるか不安でしたが、仲良く終われました。3連覇できてよかった」と笑顔を見せた。
今回から採用された「スクランブル方式」の試合方法にも、一番うまく対応したのが関西だった。「去年までは(ストロークプレーで)初日に大差をつけて、最終日は楽にプレーできたけど、今年は3試合全部勝たないと優勝できない。でも、試合は楽しくできました」と植田主将。上野主将も「ペアがうまくかみ合って、楽しくできたのがよかった」と振り返った。そして「来年の4連覇を後輩に託します」と口をそろえた。
(協会オフィシャルライター・赤坂厚)
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