3年ぶり開催の大会は、関西の優勝で幕を閉じた。四国との決勝は接戦になったが、チーム7,8組目で逆転に成功。180Ptー174Ptで競り合いを制し、2大会ぶりのこの大会4回目の優勝を遂げた。3位決定戦では中部が東北を下し、5位決定戦は関東が中国に勝利、7位決定戦は九州が北海道を破った。
最後の最後まで優勝の行方は分からない展開になった。四国が優位に戦いを進め、チーム6組目の女子2組目が終わった時点で、関西は12Pt差をつけられていた。ここで、3組目の鳥居さくら・大西穂佳ペアが15Pt差をつけて勝利して逆転。4組目の山下アミ・與語優奈ペアも9Pt差で勝って、12Pt差で優勝を決めた、かに見えた。
しかし、9Pt差で勝ったと記録されていた男子4組目の黒田裕稀・小林匠ペアに、アップしたとされていた16番での過少申告がわかって、競技委員の裁定によりそのホールが負けとなって6Ptが縮まった。優勝は動かなかったものの、ハラハラの展開に、男子主将でもある黒田はチームメートみんなから冷やかされ、本人は責任を感じて目を真っ赤にして、心配させたことに頭を何度も下げた。「失格にならなくてよかった」と胸をなでおろし「優勝出来て素直にうれしいです」とやっと笑顔になった。
決勝での立役者は、女子3組目の鳥居と大西。「2人ともドライバーが安定していた」(鳥居)「2人でラインを読みあって、バーディーをたくさん取れて流れがよかった」(大西)と、9バーディーを奪った。中でも14番パー3では14ヤードほどのロングパットが残ったが、先に打った大西がカップをかすめるパッティングでラインをみせ、鳥居がそこへうまく打って決めた。
15Pt差をつけてホールアウトした時点では、チームとしては3Ptリードに逆転した。PGAジュニアリーグの出身者でもある鳥居は「優勝に貢献できたんですか? 先輩たちの足を引っ張らなくてよかった」といい、大西は「1回戦で足を引っ張ったけど、2回戦からこのペアになって頑張れてよかった」と、ともに笑顔を見せた。
スコアカードミスと競技委員の裁定があったため、結果的には逆転したのはチーム最終組の山下・與語ペアだった。女子主将でもある山下は「自分のペアは前半(12Pt差で)リードしていたけど、後半はなかなかパターが入らなかった。ほかの子たちが頑張ってくれたおかげです」と話した。
2大会ぶり、通算4度目の優勝を果たした。4連覇を目指した前回大会(2019年)で関東に1回戦で負けて5位だった経験がある山下は「すごく悔しい思いをした。王者奪還できてよかった」と、リベンジを果たした。黒田は「関西のメンバーが強かったこともありますけど、ペアの組み合わせがよかったと思います」と要因を挙げた。来年は連覇を目指すことになるが「まずここに来ることを後輩には目指してほしい」とエールを送っていた。
(オフィシャルライター・赤坂厚)