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日本プロ

【大会前日】PGAの特別出場資格カテゴリーで戦いに挑む選手たち

2017年05月10日
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最終プロテストトップ合格の蛭川(左)と新人戦房総カントリーカップ優勝者の黒木


2016年最終プロテストでトップ通過を果たしたのが、蛭川隆(20)。「日本プロに出られるんですよね」と嬉しそうに話していたのが印象的だった。その蛭川も、ようやくこの日を迎えることができた。実はこの大会が、ツアーデビュー戦となる記念の試合だ。

「アマチュアの頃から、かねひで喜瀬カントリークラブでラウンド経験は何回もあるので、コースはだいたいわかっています。そういう意味では見慣れた景色なので、気持ちとしては通常通りというところかもしれません」と、蛭川は緊張も見られず落ち着いた様子だった。

1ヶ月前に行われた「九州サーキット2017年トヨタカップ」という地区の試合で優勝。最終プロテストの会場(ザ・クラシックゴルフ倶楽部)だったということもあり、蛭川がプロ入り後に優勝出来たのも、何かの縁なのかもしれない。

蛭川は、昔からゴルフを見てもらっている師匠・佐藤直輝ティーチングプロに、このプロ初戦の帯同キャディを依頼した。最終プロテストのときにも、師匠の言葉が大きく励みになった。「ツアーの初戦で、師匠と一緒にフィールドを歩けることが本当に嬉しい」と、素直に言葉に出る。佐藤にとっても、この日本プロを通じて、蛭川の成長を感じることが出来ることは幸せだろう。「ああいう明るい性格ですけど、すごく真面目なんですよ。成長している姿は頼もしいですし、ゴルフでいろんな部分のサポートをするというのは、ティーチングプロという仕事冥利に尽きます。今回も精一杯、一緒に戦ってきます」と、微笑んだ。

 「今年は、地元九州で試合経験を積みますが、この大会をきっかけにツアーに参戦していけるように頑張ります」と、目を輝かせて話してくれた。

「緊張しますね・・・ほんと緊張しかない感じですよ」と、ティーチングプロ選手権優勝者の資格で出場する麻田隆司(41)。優勝後の麻田は、日本プロの出場へ夢を膨らませ、出場権を手にしたことで気持ちが満たされていた。しかし、日本プロが近づいてくるにつれ、だんだんと緊張してくるようになった。「応援してくれる人たちの期待に応えたいですし、ティーチングプロの仲間のためにも、いい成績を残すことができれば。その報告が沖縄からのお土産になるかもしれないですよね」と、麻田は少しずつ前向きに気持ちを切り替えていた様子。

思い返せば、ティーチングプロ選手権「優勝」を目指したのは、日本プロ出場ということでもあった。「去年優勝した時の『出場が決まった時の気持ち』を忘れないよう、いいプレーを目指します」と、最後の最後まで戦うことを誓った。帯同キャディには、ティーチングプロの小林智人プロ。小林プロにはツアー選手の仲間が大勢いるということも、麻田の最強のサポート役に適任だ。

PGAならではの出場資格カテゴリーで戦いに挑むそれぞれの選手たち。日本プロまでの道のりは、長くて厳しいものだったが、いよいよ明日から始まる本番で、PGA会員として、プロゴルファーの実力を最大限に発揮して、ゴルフファンを楽しませてもらいたい。