通算10アンダーの単独首位でスタートした谷口徹は、第2ラウンド前半のスコアカードを書き写すかのようなプレーを展開した。1番ホールは無難にパーをセーブしたものの、前日同様に2番、3番ホールで連続ボギー。その後3ホールはパー、7番ホールでバーディー、8番ホールはパーというスコアは、まったく同じ。
だが、9番パー5ホールでバーディーパットをねじ込んだことで、第2ラウンドよりもスコアを一つ伸ばしてのハーフターンができたのだった。
後半は11番ホールでボギーを叩いたものの、12番パー5は2打目をグリーン右サイドのバンカーにまで運び、確実に寄せてバーディーを奪う。右手拳を突き上げるガッツポーズを取ってみせたのだった。
それでもスコアを伸ばし切れない。13番ホールでボギー、14番ホールでダブルボギーを打ち、日没によってこの日のプレーは終了した。
「今日はパットが悪かった。(2、3番ホールを含め)3パットが3回。ショート、ショートで届かない。13番は届いたと思ったのに雨のせいで…。ショットの調子は良かったけれど、グリーンの芝目がきつかった」
グリーン上で苦しんだ一日だったようだが、収穫もあった。
それが12番パー5での3打目バンカーショットだ。
「昨日14番ホールでのバンカーショットで砂が硬く、ソールが弾かれやすいことが分かっていたから、(それを想定してサンドウェッジの)バンスが弾かれないように打った」という。後続を突き放すバーディー奪取と会心のバンカーショットが、谷口に右手拳を突き上げさせたのだ。
「まだ残りホールは一杯あるし、切り替えて、気合と根性であと22ホール、最後に笑えるように頑張りますよ」。
経験に長けた谷口は、長丁場の戦い方、首位逃げ切りの仕方を心得ているような笑みを浮かべていた。