今から
昨年の12月、房総カントリークラブで行われた新人戦で優勝したのが、阿久津未来也(23)。ジュニア時代から頭角を現し、作新学院のゴルフ部から日本大学のゴルフ部へ進学。2015年廣野ゴルフ倶楽部での日本アマ2日目でアマチュアコースレコードの64マークしメダリストに輝き、2016年には日本学生を制すなどと、何かと注目が集まる期待の選手だ。
ゴルフを生業に生きて行こうと、阿久津はプロテストの受験を決心した。最終プロテストの第2ラウンドは80を叩くなど、ひやりとする内容もあったが、プロテストは1発で合格することができたのだった。本音で言えば、プロテストをトップ通過して、日本プロの出場を早めに決めたかったが、新人戦で優勝するという目標にすぐに切り替えた。新人戦の前週には、プロテスト合格者を対象にした入会セミナーという講習会が都内で行われていたが、阿久津は講義が終わると、都内の練習場で打ち続けていたという。阿久津の努力が報われたのか、新人戦では3人のプレーオフを制して、念願の優勝を勝ち獲ることができたのだった。
「新人戦からあっという間の5ヶ月でした。昨年9月にプロテスト合格、12月のファイナルQTを終えると、新人戦で優勝。そして今年3月にはアメバTVツアーデビューと、いよいよプロの生活が始まりました。職業がプロですから、緊張感も伴います」と、新しい生活に胸を躍らせる。
「いつも100パーセントでプレーを魅せたいと思っています。ファンのエールを力に変えていきたい。応援という力は、スポーツでは計り知れない大きな力になりますから」と、高いプロ意識を持っている。阿久津は「ツアーの大舞台で、自分のゴルフが披露できて、ゴルフファンに名前も覚えてもらいたい。名前が漢字で6文字って、珍しいですよね(笑)」と、この大会でぜひ注目を集めたいところだ。しかも日大出身プロには、堀川(未来夢)先輩がいて、名前「未来」が一緒だからと、弟分として気にかけてもらっているのもほほえましい。これからはプロゴルファー「阿久津未来也」として、人の縁もつなげていきたい。
「100点満点よりも、100%でやる」。
新人戦の会場は、ここ房総カントリークラブ。阿久津には、いいイメージしか残っていない。新人戦の時と同様、キャディに日大ゴルフ部の後輩・勝俣さんを起用し、自分の100%を信じて、やってみるだけだ。