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日本プロ

◇石川遼・スペシャルインタビュー①◇選手会長、そしてJGTO副会長として

2018年05月08日
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 来場者のみにプレゼントされる大会プログラムという冊子があります。今回のプログラム企画では、今年日本ツアーに腰を据えてプレーすることを決断した石川遼選手のスペシャルインタビューを掲載。ゴルフ界の魅力を伝える伝道師、そして選手代表として迎える一年目。現在どんな思いなのか、少しですがお伝えします。

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◆主戦場を日本とした理由

――今年1年、日本を主戦場にする決断をしました。悩んだのでは?

 悩みました。みんな当たり前に、アメリカに戻ると思われていたでしょう。自分もそういう流れなのかなと思っていました。ただ、自分1人で練習していて、なんか今の自分のメンタルの状態でアメリカに戻った時に、結果を欲しさに、目の前の結果というところにとらわれていた部分があったので、そうなるとゴルフってうまくならない。自分でゴルフをやっていて上達できるという雰囲気では全くなかったんですね。

 やっぱり高校生で優勝して、アメリカに行くまで、ゴルフがうまくなってきたか、上達できたかっていうのは、支えてきたのは結果を気にしない、結果を恐れないというメンタルで練習、試合に臨んできているというのが一番だった。日本では今まで予選通過のラインで戦ったことがなかった。日本では予選落ちも2位も3位も予選落ちだという気持ちになっていた。やっぱり優勝しかみてないという、負ければ予選落ちより悔しいぐらいの気持ちだった。アメリカに行ったときに、シード権というところの争いを初めてして、1打の重みを知ってしまったんですよね。

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 予選通過ラインから1打、2打足りないというところが多くて、そうなると初日の1打っていうのが大事だという気持ちになった。初日を30位で終わるのか、1打悪いだけですぐ予選落ちの圏内に入ったり、そういう経験が気になってしまって、ボギーを打ちたくない、バーディーを取ったら大事にしたいという気持ちになってしまって、バーディーがまず減ってしまった。ボギーが出たときにその分だけオーバーしてしまう、それで無理してしまうとダブルボギーが出てしまうという悪循環になってしまったんです。

 長期的に自分のゴルフに向き合う時間ができませんでしたし、毎試合そういう1打にとらわれてっていうのが続いたんで、単純に嫌だったんですね。それで、正直に言うと2年間ぐらいそういうことを考えないでやらないといけないな、自分のゴルフをもう1段階上に持っていくためにはそういう時間が必要だなと思って、今年に関しては結果の目標は立てていません。ただ、自分の中でドライバーからパッティングまで設けているハードルがあるので、それをクリアしていくことで成績もおのずとついてくると思うんですね。こだわりがないです。

(全3回掲載の1回目)