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日本プロ

<2R>澤口が奪った4つのバーディーは自信に変えて、次回の予選通過を誓う

2018年05月11日
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 昨年のPGAティーチングプロ選手権大会をプレーオフの激闘の末に初制覇し、日本プロゴルフ選手権出場資格を獲得したのが澤口清人。ツアープロへの道を断念し、ゴルフ伝道師としてティーチングプロ活動をしている澤口にとっては、突然「ツアー出場」の扉が開いたのだった。

 プロゴルファー日本一決定戦の舞台に立つための準備は十分整えては来た。期待が募る一方で不安も膨れ上がり出したのも事実。「一緒に回るツアープロにはティーショットで何十ヤードも置いて行かれるかも知れない」「最下位になるのは今の実力では当然かも…」。様々な思いが、荒波のように次から次に押し寄せて来る。

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 大会初日は前半1オーバーでしのいだものの、後半2ホール目にボギーを打ってからは耐えるゴルフができない。「緊張の糸が切れたわけではありませんが、気持ちが一杯いっぱいで…」。後半はノーバーディー・5ボギーと崩れ、78。131位タイに終わった。 予選カットラインは通算3オーバーと予想された大会2日目。澤口は、2オーバー・74にスコアをまとめ上げ、通算8オーバーでフィニッシュしたのだった。

「良い勉強をさせて頂きました」とホールアウト後、クラブハウス前でサンバイザーを取って、一礼した。敗れた試合でも、礼儀を見失ってはいなかった。

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「同組の横尾(要)さん、高山(忠洋)さんの攻め方を間近で見させてもらって、今の自分のゴルフではとうていできないことを肌で感じました。初のツアー、メジャー出場で課題をたくさん頂戴しました。特にアプローチ、パットをもっと磨かなければならないと身をもって知りました」

 しかし、決して落ち込んだりはしていない、むしろゴルフに対して一段と前向きになった。「やれることは、やり遂げられたと思います。まったく通じなかったわけでもなく、もっと精進したなら予選通過もできそうに感じました。こんな素晴らしい舞台でゴルフを、もう一度したい」と澤口。そのためには、今年のティーチングプロ選手権を連覇するしかない。

「連覇?したいですね。しかし、ティーチングプロ仲間も強者揃いなので簡単ではないと思います。でも、勝ちたい。この選手バッジを1個ではなく、2個にしたいです」。 

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 応援に駆けつけた所属先の狭山ゴルフクラブのメンバーや知人たちに礼を告げている澤口の姿が、眩しかった。

 選手バッヂよりも、難易度が前日よりも高まった大会二日目に奪った4つのバーディー数が、これからの大きな自信につながるはずだ。

(PGAオフィシャルライター 伝 昌夫)