「練習ラウンドのために今年3月、すでに3回ほどコースを回ったのですが、2、3ラウンド目は雨と風にたたられてしまったんですよ」。大会前日の練習日。マスター室前から雨のコースを眺めながら若杉和浩は、そう呟いた。
昨18年10月に行われた「第20回PGAティーチングプロ選手権大会 ゴルフパートナーカップ」で初優勝を飾り、日本プロゴルフ選手権の出場権を得た。そんな若杉は20歳の時に父親の影響でゴルフを始め、その後研修生となってツアープロを目指した。思うような結果を得られなかったこともあって、25歳の時にティーチングプロ資格取得の足掛かりを作り、その後PGAティーチングプロB級の資格を得た。
それでもツアーの舞台に立ちたい夢は諦めなかった。岐阜県のゴルフ5カントリーみずなみコースに勤務しながら17年までJGTOツアーのQTに挑戦し続ける。しかし「1度も通ることはできませんでした」(若杉)
レッスン業に専念して1年半が過ぎ、臨んだPGAティーチングプロ選手権大会で思ってもいない優勝を飾り、憧れの夢舞台・日本プロゴルフ選手権出場の切符を手にしたのだ。
気合いが入った。不惑を過ぎての夢実現ともなれば、当然だろう。ハードな筋力アップトレーニングに汗水を流した。それが原因で左わき腹を疲労骨折してしまう。
「4月5月の2カ月間はゴルフが出来ませんでした。6月に入ってようやくラウンドできるようになり、週1回はラウンドをして来ましたが、まだまだ不安はあります。でもティーチングプロの代表としても4日間72ホールはプレーしたいです。まさかこの僕が日本プロに出場!?の夢が正夢になったんですからね」。
諦めかけた夢を少しでも長く楽しみたい。72ホールプレーへの新たな目標を抱いて若杉は明日4日、午後13時インスタート34組でティーオフする。