2018年のPGA資格認定プロテスト・最終プロテストをトップ合格したことで日本プロゴルフ選手権出場資格を手にしたのが佐藤太地だ。北海道札幌市生まれの23歳。東北福祉大学ゴルフ部時代は北海道アマチュアゴルフ選手権で同大会2回目の優勝を飾ったほか、国民体育大会3位、日本学生ゴルフ選手権3位タイなどの好成績を挙げている。
しかし、ラフからのショットを打った際に左手首軟骨損傷し、外科手術を受けたことで大学4年時は一試合も出場できなかった。
ゴルフ部同期の比嘉一貴は、すでにツアーで活躍している。羨ましさと試合に出られない辛さ。リハビリを兼ねた筋力アップトレーニングで気持ちのモヤモヤを振り払い、自身にとっての復帰戦となる最終プロテストで1位合格を果たしたのだった。
それでも試練は続いた。ツアー出場優先順位を争うクォリファイングトーナメント(QT)はサードステージで敗退。QTランキング220位に終わり、今季はツアー出場機会には恵まれていない。佐藤にとっての今季開幕戦となったのは6月の「日本ゴルフツアー選手権」。99位タイに終わったものの、2戦目のAbemaTVツアー「大山どりカップ」では予選通過を果たし、47位タイの成績を残して、この日本プロゴルフ選手権に乗り込んで来た。
「練習だけは誰にも負けないほど積んでは来たのですが、思うような球筋を作れない。フェードのつもりが、ドローが飛び出すこともある。逆球になるのが不安材料ですけど、リカバリーショットは得意なので」と佐藤は笑顔を浮かべた。コースマネジメントは出来上がっている。
開催週の月曜日に練習ラウンドを行い、コースチェックした。「フェアウエイサイドのラフが深く、フェアウエイキャッチしないと0.5罰打が加わる感じですから、まずはフェアウエイキープがスコアメイクのカギになると思います。ティーショットに神経を注ぎ、フェアウエイからグリーンを狙って行きたいです」
大会後、ツアー出場が確定している試合はまだない。地元・北海道で開かれるセガサミーカップ、ANAオープンのマンデートーナメントに挑むほか、日本オープン予選会に挑戦し、ツアー出場の扉を押し開けて行くしかない状況にある。「(所属先の)北海道ブルックスCCの方々からは『優勝して来いよ』と送り出されて来たのですが、その期待に少しでも応えられる結果を残したいです」。日本タイトル戦で優勝となれば、5年の長期シードも手に入れられる。南国・鹿児島から北の大地・北海道へ--ダイチが朗報を持ち帰りたい!