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日本プロ

<7/6 2R> 10アンダー首位の北村、一発大逆転のツアー初優勝を目指して

2019年07月06日
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 通算5アンダー・4位タイからスタートした北村晃一が、首位タイに躍り出た。1番ホールでのバーディー後、4番、6番のいずれもパー3ホールでバーディーを奪取。8番パー5ホールでこの日唯一のボギーを打ったが、その後もスコアを順調に伸ばし、通算9アンダーで最終18番パー5ホールを迎えたのだった。

 北村自身にとって今季ツアー開幕戦。昨年7月のPGA後援競技「北陸オープン」でプレーオフの末に谷昭範を下して優勝したことで、今大会の出場権を得ていたのだ。

 今年5月には練習ラウンドにコースへ足を運んだ。「1日目は雨風が強く、それでも何とか回りましたが、翌日は途中で止めました」。完璧な練習ラウンドとは到底言えないものの、コースを回れたことで大会に懸ける思いは強まった。

 第1ラウンドはノーボギーで回り切った。第2ラウンドでもボギーのピンチがあったが「1・5から2メートルくらいの距離のパットが全部入ってくれました。バーディーもパーパットも、です。本当にそれ(パットが入る)だけです。ショットは不安要素が多い」。北村は好成績の要因を自分なりにそう分析している。

 今季のツアー出場優先順位は205位。下部ツアーには参戦している(7月6日時点で賞金ランキング17位)。一方で、さらなる高みを求めてスイング改造に取り組んでいる。「手を使わずフットワークで打つ」イメージだという。

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 バーディー奪取で首位に並べるチャンスで迎えた18番ホール。ティーショットは左方向へ飛んで行った。スイング改造が「形になって来ている」感触を得ていた矢先のミスショット。修正したいと思っていた悪い癖が最後の最後で顔を覗かせてのミスショットだったのだ。

 2打目はピンまで220ヤード。5番ウッドで放ったものの、ボールはまたしても左方向へ飛んで行く。「捕まり過ぎたとは思いました。OBにさえならなければ」の思いは通じ、グリーン左手前50ヤード付近でボールは見つかった。「ピンさえ見えない打ち上げのリカバリーショット。グリーンの真ん中くらいへ打てば何とかなる」。北村はサンドウエッジをスパッと振り抜いた。ギャラリースタンドから「ワアーッ」という大きな歓声が上がる。「ピンには近づいたな、と思ってグリーンサイドを駆け上がりました」。ボールはピンに寄り添うように止まっていた。起死回生の一打でバーディーフィニッシュ。北村は冷や汗を快汗に変えて、グリーンを降りることが出来た。

 6バーディー・1ボギー65。通算10アンダー・首位タイ。北村は最終日最終組で明日の36ホールズプレーに挑む。最終日最終組は自身初だ。

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 「スイングの悪い癖が出て当然です。暑さには強いと思っています。高校野球部時代は夏が本番でしたし、グラウンドに比べたらゴルフ場は涼しい。でも、精神的なスタミナが持つかな…。優勝の自信?それは全くありませんが、頭の中をクリアーにして、打ち急いだり、パニックになったりすることがなければ、今の調子ならある程度のスコアを出せるかなという自信はあります」。北村は自分に言い聞かせるように、そう言い切った。

 神奈川県の桐光学園高校時代に2度、甲子園の土を踏んだ。ベンチ入りもした。だがレギュラー選手ではなく、セカンドの守備固め選手としてだった。バッターボックスに立つことはなかった。明日、北村は首位タイとして、優勝に最も近い順位でスタートティーに立つ。一発大逆転のツアー初優勝を目指して--。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)